世界を驚かせた露テレビ局での「放送事故」 反戦掲げた女性は今

AI要約

ロシアのウクライナ侵攻が続く中、テレビ局での放送事故が起こり、反戦を訴えるマリーナ・オフシャンニコワさんの活動が世界に注目される。

ウクライナが勝利すればプーチン政権が崩壊する可能性を指摘し、西側諸国の支援が重要だと訴えている。

オフシャンニコワさんはプーチン政権下でのメディアの変質や苦い記憶を背景に、ロシアの現状に対して危機感を持っている。

世界を驚かせた露テレビ局での「放送事故」 反戦掲げた女性は今

 「NO WAR(戦争反対)」――。ロシアのウクライナ侵攻が始まって1カ月後の2022年3月、露政府系テレビ局のニュース番組で起きた「放送事故」が世界を驚かせた。

 生放送中のスタジオに乱入し、手書きの反戦ポスターを掲げたのは、テレビ局職員だったマリーナ・オフシャンニコワさん(46)だ。

 その後、当局の監視下に置かれたが、22年10月、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部・パリ)などの支援を得て、長女とフランスに逃れた。

 侵攻開始からまもなく丸2年半。ジャーナリスト兼活動家として発信を続けるオフシャンニコワさんが毎日新聞のオンラインインタビューに応じ、「沈黙を保つことは不可能だった」と心境を振り返った。

 祖国ロシアについては、「ウクライナが勝てばプーチン政権は崩壊する。西側諸国はウクライナへの支援を続け、独裁政権に対抗する必要がある」と訴えた。

 インタビューでは、10代で経験した第1次チェチェン紛争の苦い記憶や、プーチン政権下で変質したロシアのメディア事情などに関しても語った。

 オフシャンニコワさんの著書「2022年のモスクワで、反戦を訴える」は、今年5月に日本語版が講談社から発刊された。【松本紫帆】