ファクトチェック機関へのデータ公開に懸念 EU、メタに情報を要求

AI要約

欧州委員会がメタに対し、研究者やファクトチェック機関がアクセスできるようデータを公開するよう要求。

要求はEUのデジタルサービス法(DSA)に基づくもので、特にメタがクラウドタングルを廃止したことを問題視。

メタは9月6日までに関連データを報告しなければならず、制裁金の可能性もある。

ファクトチェック機関へのデータ公開に懸念 EU、メタに情報を要求

 欧州連合(EU)の行政府にあたる欧州委員会は16日、フェイスブック(FB)やインスタグラムを運営する米メタに対して、研究者やファクトチェック機関がアクセスできるようデータを公開しているかについて、情報を提供するよう要求した。

 要求は、巨大IT企業に差別的な内容や偽情報などを含む違法なコンテンツへの対応を義務づける、EUのデジタルサービス法(DSA)に基づくもの。

 欧州委は特に、メタが14日に、投稿を追跡したり分析したりするためのツール「クラウドタングル」を廃止したことを問題視した。「ファクトチェック」に取り組む機関や研究者が、6月に実施された欧州議会選などで、選挙関連の投稿の検証作業に使った機能だ。「市民の言論や選挙プロセスを、第三者が即時に監視できないことに懸念がある」とした。

 メタは9月6日までに、第三者がアクセス可能なデータなどについて報告しなければならない。報告しなかった場合、制裁金が科される可能性がある。(ブリュッセル=牛尾梓)