ケネディ氏、ハリス氏に会談提案 支持と見返りの役職狙いか 米報道

AI要約

弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏が、無所属での米大統領選に立候補する意向を示している中、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領陣営との接触が報じられた。

ケネディ氏はトランプ前大統領との話し合いも試みたが合意には至らず、今後の選挙戦への姿勢について模索している。

しかし、最近の支持率の低下や選挙戦の結果を左右する可能性もあり、政治情勢は流動的な状況となっている。

ケネディ氏、ハリス氏に会談提案 支持と見返りの役職狙いか 米報道

 11月の米大統領選に無所属で立候補する意向を示している弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)の陣営が、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(59)の陣営に接触していたことが判明した。選挙戦から撤退してハリス氏支持に回り、ハリス政権が誕生した場合の処遇などについて協議するため、会談の設定を求めたという。複数の米主要メディアが14日、ケネディ氏の陣営関係者らの話として報じた。

 ワシントン・ポスト紙によると、接触は仲介者を通じて行われた。ケネディ氏の陣営は先週会談を提案したが、ハリス氏や周辺は反応も関心も示さなかった。ケネディ氏は7月、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)と、選挙戦での支持やトランプ氏が返り咲いた場合の自身の役割などについて直接話し合ったものの、合意には至らなかったという。

 ケネディ氏は選挙戦を継続中で、インタビューに応じたり、選挙集会を予定したりもしている。ただし、ポスト紙は、ケネディ氏は自身が求めている「変化」を米国にもたらす別の方法を見つけた場合は選挙戦から降りる可能性も残している、というケネディ氏の顧問の話も紹介している。

 ケネディ氏は、ロバート・ケネディ元司法長官の息子で、ジョン・F・ケネディ元大統領のおいに当たる。当初は民主党からの立候補を模索したが、党候補指名争いでジョー・バイデン大統領(81)に勝つ見通しが立たなかったため、無所属での立候補に切り替えた。共に不人気のバイデン氏とトランプ氏の再対決に嫌気が差していた有権者らから一定の支持を集め、世論調査では平均で10%前後の支持率があった。

 しかし、バイデン氏が撤退を表明して以降、ケネディ氏の支持率は低下傾向にある。政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の集計によると、14日時点の支持率はハリス氏45・4%、トランプ氏44・6%に対し、ケネディ氏は5・6%にとどまっている。

 大統領選はハリス氏とトランプ氏の大接戦が予想される。勝敗の鍵を握る激戦州でのわずかな票の動きが全体の結果を左右しかねず、ケネディ氏が2大政党の候補のどちらの票をどの程度奪うのかが焦点の一つになっている。【ワシントン西田進一郎】