豪、核物質移転協定を米英と締結 議会で審議

AI要約

オーストラリア議会で12日、米英両国と締結された核物質の移転と機密共有可能にする協定の審議が行われた。

同協定は、豪海軍の原子力潜水艦配備を進める重要な一歩となり、AUKUS枠組みの一部で向けられた中国への戦略的対応と見なされている。

豪政府は原潜艦の取得を最高の核不拡散基準と位置付けつつ、核兵器保有を明確に否定している。

【AFP=時事】オーストラリア議会で12日、米英両国と先週締結された、核物質の移転と核に関する機密共有を可能にする協定についての審議が行われた。同協定は、豪海軍の原子力潜水艦配備の実現に向けた重要な一歩となる。

 先週、米首都ワシントンで署名された同協定は、2021年の米英豪の安全保障枠組み「オーカス(AUKUS)」の一環で、核物質および核の関連技術などの豪州への移転を認める安全保障体制を3か国間で構築する内容となっている。

 AUKUSは、豪州の原子力潜水艦の建造と先進的な戦闘能力の共同開発を目指し、太平洋地域で軍事的野心を見せる中国への戦略的な対応と見なされている。

 豪州のリチャード・マールズ(Richard Marles)副首相兼国防相は今回の協定について、「わが国の海軍が通常兵器を搭載した原子力潜水艦を取得する重要な一歩だ」と表明。

 原潜艦隊の取得によって「最高の核不拡散基準」が確立されると主張する一方で、同国が核兵器を求めているわけではないことを強調した。【翻訳編集】 AFPBB News