ハーバード卒、競技歴6年で金メダルを獲得した・米女子サイクリストの経歴がすごすぎる

AI要約

米国代表の自転車選手クリステン・フォークナー選手が、たった6年の競技歴でパリ五輪で金メダルを獲得した驚異的な経歴を持つこと。

フォークナーは元ベンチャーキャピタリストで、ハーバード大学卒業後にサイクリングを始め、徐々に競技にのめり込んでいった。

彼女のリスク管理能力が競技にも活き、金メダル獲得につながった。

ハーバード卒、競技歴6年で金メダルを獲得した・米女子サイクリストの経歴がすごすぎる

8月4日、パリ五輪の女子自転車ロードレースで、米国に金メダルをもたらしたクリステン・フォークナー選手(31)の経歴が驚異的だ。

米メディア「CNBC」によると、彼女の競技歴はわずか6年で、パリ大会への参加は当初予定されていなかった。7月初旬、女子ロードレースの代表だったテイラー・クニブ選手がトライアスロンに専念するために参加を辞退したことで、補欠だったフォークナーにチャンスが巡ってきた。

それから代表チームに合流した彼女は、8月4日のレース当日、経験豊富な世界のトップ選手と互角に渡り合った。米メディア「NBCニュース」によると、パリ中心部をスタートしてからしばらくすると、フォークナーは先頭グループに食い込んだ。158キロメートルのコースのうち、ラスト3キロ地点でフォークナーは攻撃を仕掛け、集団から抜けてトップに立った。そのまま差を広げたフォークナーは、2位の選手と1分ほどの差をつけてゴールした。

驚異的なのは、彼女の成長の速さと、勝負強さだけではない。サイクリング選手になる前の彼女の経歴も異例で、米ハーバード大学卒、元ベンチャーキャピタリストと華やかだ。

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、フォークナーは自然が豊かなアラスカで生まれ、海岸沿いの街でアウトドアに親しんで育った。幼い頃から、両親が経営していた自然のなかのリゾートの運営を手伝い、悪天候の中でも1日中家族でハイキングをしていたという。

その後、ハーバード大学に入学した彼女は大学所属のボート選手になり、活躍した。しかし、2016年に大学を卒業した彼女は、ベンチャーキャピタリストになる道を選び、競技から離れることとなった。

仕事のために移り住んだニューヨークという大都会では、それまでのように自然に接するのは難しかった。そこでフォークナーが考えたのは、都会でもできるサイクリングをすることだった。2017年、セントラルパークでのサイクリング入門練習会に参加した。

そこで正しい乗り方を学ぶと、彼女は一気に競技サイクリングにのめり込んでいった。訓練を重ねた彼女は、その後カリフォルニアに移り住み、北米で最も長い歴史を持つ女子プロサイクリングチームに加わった。1年間はシリコンバレーのベンチャーキャピタルで働きながら、競技を続けたという。

そして2021年初頭、オリンピックに出たいという子供の頃からの夢を追いかけるため、フォークナーはフルタイムでサイクリングに専念することにした。金融の仕事を離れ、給与の減り幅はかなり大きかったという。それでも彼女は後悔しなかった。競技の魅力に取り憑かれていたからだ。

そんな彼女は、プロ選手としての成功に、ベンチャーキャピタリストとして働いた経験は欠かせなかったと、米通信社「AP」に語っている。「リスクを計算し、評価する方法を学びました。そのマインドセットで、レース中にリスクとリターンについて考え、いつ全力を尽くすべきかを考えています」