「K-POP聖地の夢を返して」 協定解除で好立地エリアに錆びた骨組みだけが残った /高陽

AI要約

地元住民の期待を裏切ったCJライブシティー事業が失敗に終わり、計画が白紙化されたことにより地元住民の不満が高まっている。

京畿道がCJ側との協定を解除し、事業を自治体主導で推進すると発表したが、地元住民は当初の計画通りに事業を推進するよう要求しており、住民の間では反発が強まっている。

建設現場を訪れると、3%前後の工事進捗率で中断された状態が続いており、地元住民や観光客を呼ぶ期待が裏切られた状況が明らかになっている。

「K-POP聖地の夢を返して」 協定解除で好立地エリアに錆びた骨組みだけが残った /高陽

 「地元に世界的なK-POPアリーナができると思い、騒音やほこりを我慢したのに、期待だけさせておいて、計画が失敗に終わるなんて」

 京畿道高陽市一山東区獐項洞で出会った地元住民イ・ドンギュさん(47)は、「最近、腹が立つ」と話した。その理由は「CJライブシティー」事業だ。CJがキンテックスと一山湖水公園周辺の面積32万6400平方メートルの敷地に2兆ウォン(約2180億円)以上をかけ、世界最大のKポップアリーナとスタジオ、ホテルなどを整備する事業だ。「Kカルチャーバレー整備事業」とも呼ばれる。

 今年7月1日、京畿道がCJ側と協定を解除し、事業が8年目で白紙化された。京畿道は自治体主導で事業を推進すると発表したが、地元に大きな影響を及ぼしている。地元住民は「高陽にライブシティーを返してほしい」「当初計画通りに推進しろ」と反発している。高陽市のあちこちに「CJライブシティー原案が答えだ」「CJライブシティーアリーナ断念決死反対」などと書かれた横断幕も掲げられた。住民らは京畿道庁前で集会も開いている。 京畿道民請願サイトには7月1日に詳細な説明、再検討、経緯の開示を求める請願があり、半月で1万人が賛同した。それを受け、京畿道が7月16日、「(CJが推進していた)原案のまま迅速に推進する」と表明したが、住民の不満は収まっていない。

 一山連合会のカン・テウ常任代表は「CJライブシティー事業は100万高陽市民にとって念願の事業だ」とした上で、「住民の意見を集約し、非常対策委員会を設置して本格的に対応していく」と話した。

 記者は7月31日に獐項洞のCJライブシティー建設現場を訪れたが、砂ぼこりだけが漂っていた。「K-POPの聖地」になると期待を集めたアリーナの姿はなく、真っ赤にさびた建物の骨組みしかなかった。今年6月の完成を目標に3年前の2021年10月に着工したが、工事進捗(しんちょく)率は3%前後だ。CJが工事費の上昇などで資金難に苦しみ、昨年4月以降、工事が中断されている。近くのマンションに住む住民のLさん(62)は「マンションだけが立ち並ぶ高陽で最後に残った好立地がここだ。世界的なアリーナで観光客を呼べると期待したが、かえって厄介物になった」と話した。