被災3寺院合同で盆踊り マウイ山火事、死者悼む

AI要約

マウイ島での山火事から1年を迎え、被害が集中したラハイナで盆踊りが開催された。被災者たちが地元の寺院で命を供養し、交流を深めた。

被災者は現在も仮住まいで過ごしており、寺院の盆踊りが地域のつながりを強調し、慰めを与えている。

ラハイナの三つの寺院が初めて合同で盆踊りを開催し、地域コミュニティーの結束を感じさせるイベントとなった。

 【ラハイナ(米ハワイ州)時事】米ハワイ州マウイ島で102人が犠牲になった山火事から1年を迎え、被害が集中した西部ラハイナで10日、被災した三つの寺院が発起人となり、盆踊りが開かれた。

 多くの人々が会場となった地元のショッピングモールを訪れて踊り、失われた命を供養した。

 被災者はホテルや民泊施設などを転々とする生活を強いられている。真言宗のラハイナ法光寺の目黒孝幸さん(48)は「みんながあちこちで久しぶりと声を掛け合っているのを見るのがうれしい」とほほ笑んだ。ラハイナ浄土院の原源照さん(88)も「話すことが慰めにつながる」と強調した。

 三つの寺は従来、それぞれで盆踊りを開いており、合同開催は初めて。ラハイナ本願寺の広中愛さん(47)は「仏教寺院は、地域コミュニティーとかつてないほどつながっている」とあいさつした。祭りは、マウイ郡が全面支援した。

 やぐらはラハイナ本願寺敷地で焼けずに残ったものを運んだ。これを取り囲み、地域住民らが「炭坑節」や「ええじゃないか」といった定番曲から、オリジナルの「ラハイナオンド」まで約2時間にわたり踊った。福島県をルーツとする「マウイ太鼓」も演奏された。