「他人の負担になりたくない」日本では、ロボットが高齢者の孤独を癒し世話をする

AI要約

日本の高齢者向け施設ではロボットが重要な役割を果たし始めており、特にペッパー、アイボ、パロという3種類のロボットが利用されている。

これらのロボットは孤独感を癒し、認知機能や運動機能の低下を防ぐ役割を果たしており、特別養護老人ホームなどで入居者と一緒に活動している。

ペッパーなどのロボットは入居者の関心を引き、一体感を生み出しており、高齢者向け施設において重要な存在となっている。

「他人の負担になりたくない」日本では、ロボットが高齢者の孤独を癒し世話をする

少子高齢化が進む日本では、高齢者の精神面においても介護施設のスタッフにとってもロボットが、ますます重要な役割を果たすようになってきている。同じく高齢化が進むスペインの日刊紙が、その現場を取材した。

孤独感を癒し、認知機能の低下や運動機能の喪失を阻止することは、日本のロボット工学の最優先課題だ。日本は加速する高齢化がもたらす経済的、社会的な影響に対処する技術的解決策を数十年前から模索している。

そんな日本ではいま、3種類のロボットが高齢者用の施設や病院の多くで見られる。それぞれ「ペッパー」「アイボ」「パロ」という名前で、その目的は利用者を楽しませ、利用者と会話し、感情的な繋がりをもつことだ。

このトリオは、東京都心にある特別養護老人ホーム「新とみ」で、約40人の入居者の身体的・精神的ケアをおこなうスタッフと共に活動している。こうしたロボットは、「ソーシャルロボット」と呼ばれるが、この3機種のなかで最も人間に似ているのは身長121センチのペッパーだ。

ペッパーは、週に2回、50年前の流行歌を20人あまりの入居者の前で再生するようプログラミングされている。ペッパーは、表情の乏しさを器用な腕の動きで補う。その滑らかな関節の動きは、産業ロボットの後継としての“血統”を裏付ける。日本はその産業ロボットのおかげで20世紀末以降、製造業向け自動機械の世界最大の輸出国の地位を保っているのだ。 

入居者たちは、それぞれの席からペッパーと向き合う。居眠りする人もいれば、指でテーブルをトントンと鳴らしてリズムをとる人もいる。2人の女性が、笑顔でペッパーの腕の動きを真似る。老人ホームのアシスタントがペッパーのメニューのなかから「ラジオ体操」を選ぶと、その場の雰囲気が一変する。

音楽に合わせてアシスタントが体を動かすと、入居者たちの関心の度合いが一気に高まり、多くの人が頭を上げてペッパーの動きに合わせて体操をはじめる。