タリバン支配3年 女性のうつ病・自殺者増加か

AI要約

アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバン支配下で、精神的苦痛を訴える人々が増加している。

女性たちは経済的苦境や教育・就労制限に苦しんでおり、自宅に閉じこもることが多く、自殺を図る人もいる。

タリバンの抑圧が原因で、女性の権利が侵害され、自分の生活をコントロールする権限が制限されている。

タリバン支配3年 女性のうつ病・自殺者増加か

 イスラム主義勢力タリバンが支配するアフガニスタンで、うつ病など精神的な苦痛を訴える事例が目立っている。経済的な苦境のほか、教育や就労を制限されて自宅にこもりがちになっている女性たちが深刻だといい、自ら命を絶とうとする人もいる。

 タリバンは2021年8月に首都カブールを制圧し、女性たちの抑圧を進めてきた。中学生以上の女子教育や女性だけの長距離の移動を禁止したほか、公園や遊園地への女性の入場も禁じた。

 カブールの遊園地では、男性以外に入園を認められるのは6歳までの少女、とする規定ができた。湖のある公園では、成人男性のみでボートをこいだり、お茶を飲みながら雑談したりする姿がみられた。

 生活苦にあっても、女性は自ら働いて生計を立てることが難しく、10代のうちに結婚を強いられ、年の離れた夫から暴力を受ける人も少なくない。

 2人の子どもを持つ女性(24)も昨年、日々の食事にすら困る生活苦に嫌気がさし、自宅にあった薬を何十錠も一気に飲んだ。命は助かったが、いまも気持ちは沈みがちだという。

 女性を対象にした支援団体の昨年の調査では、回答者2113人の68%が、うつ病などに苦しむ女性が周りにいると回答。別の団体の関係者は「タリバン統治後、自殺を図る女性は少なくとも2割ほど増えているのではないか」と話す。(カブール=石原孝)