「もしかして、おめでた?」妊娠に踏み込む同僚にうんざり…ハラスメントじゃない?
職場で体調や妊娠に関する話題を執拗に振る先輩からストレスを感じる女性の相談。
先輩のセクハラ行為について弁護士が解説し、職場環境への影響を指摘。
セクハラの判断基準や適切なコミュニケーションについて提言。
妊娠や体調面に関する話題を繰り返し振ってくる職場の先輩がつらい──。デリケートな領域にズンズンと踏み込まれたという女性からの相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
相談者が妊娠初期に流産したため有給休暇を取得したところ、先輩社員に「もしかしておめでた?」と尋ねられました。
同じことを繰り返し聞かれないよう正直に流産したことを告げたら、今度は執拗に「休まなくていいのか」と何度も言われるように。問題ないと答えても同じやり取りを繰り返す羽目になり、休暇を強要されているように感じたそうです。
その後、再び妊娠した際には安定期に入るまで報告を控えていましたが、先輩にとって報告の遅さが不服だったのか、ため息を吐かれてしまい、妊娠・出産に伴う業務調整などの相談時にストレスを感じるようになったといいます。
妊娠の有無や体調の変化などデリケートなことを何度も聞かれた相談者は、先輩の振る舞いが「ハラスメント」ではないかと考えているようです。「おめでた?」と聞くだけでも法的な問題になり得るのでしょうか。竹内省吾弁護士に聞きました。
──今回のようなケースはセクハラに当たるのでしょうか。
この先輩の対応はアウトの可能性が高いです。
職場におけるセクシャルハラスメント(セクハラ)とは、性に関する言動により受け手(労働者)が勤務条件について不利益を受けたり(対価型)、就業環境が害される(環境型)ことをいいます。
今回のケースでは、先輩が妊娠に起因する体調の変化を相談者が休暇を強要されたり先輩の態度により業務調整時にストレスを感じるという環境型のセクハラに該当します。
セクハラに当たるかは、行為者側がどういう意図であったかよりも、受け止める側が不快だと感じるか(平均的な女性(男性)労働者の感じ方)を基準にケースバイケースで判断されます。
その発言が受け手にセクハラと思われる可能性があると思った場合には、別の聞き方を考えた方が良いです。