【池上解説】理由はお金の問題⁉ハリス氏が大統領候補になった意外なワケ

AI要約

バイデン大統領は高齢に伴う不安から大統領選挙から撤退する決断を下した。

複数の発言ミスや北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での失態が撤退の決定打となった。

支持率低下やトランプ前大統領の暗殺未遂事件が撤退を後押しし、民主党の中からも撤退を求める声が上がった。

【池上解説】理由はお金の問題⁉ハリス氏が大統領候補になった意外なワケ

今年の夏は本当に暑いですよね。そんな中先月アメリカのバイデン大統領が

選挙の4か月前という時期に大統領選挙からの撤退を決めました。日本でも大きなニュースになりました。一体なぜそんなことになったのでしょうか。そしてなぜ、ハリス副大統領が後継となったのでしょうか。ポイントを絞って解説してまいります。

バイデン大統領撤退の一番のきっかけとなったのは、なんといっても6月27日にCNNで行われたテレビ討論会です。バイデン大統領とトランプ前大統領の一騎打ちとなったこの討論会で、バイデン大統領は言葉を詰まらせ数秒間沈黙したり、トランプ氏に「何言ってるかわからない」とつっこまれるほど、意味不明ともいえる発言をしたのです。バイデン大統領の高齢への不安が高まりました。

そして決定打となったのが、先月11日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の式典での発言です。「並外れた勇気と決断力を持つウクライナの大統領にマイクを引き継ぎたいと思います。プーチン大統領です!」こう、ゼレンスキー大統領を紹介したのです。

すぐに間違いに気づいて言い直しましたが後の祭りです。その後にはハリス副大統領をトランプ氏と言い間違える場面もありました。戦争している国の大統領と支援している国の大統領を間違えるという、まさに致命的ともいえるミスによって、高齢への不安がさらに広がってしまったのです。

そんな時期に起きたのが、トランプ前大統領の暗殺未遂事件です。

この事件によってトランプ支持者の結束が強まりました。トランプさんが一気に優位に立ったように見える、そうなると民主党の中からも「バイデンさん、この際もう撤退したほうがいいのでは?」という声が出てくるようになりました。最後は家族がバイデンさんを説得したとも言われています。投票日まで4か月を切った段階での撤退は極めて異例の出来事です。

そしてバイデン大統領が撤退を決めた理由の一つが自分の党である民主党を守るため、と言われています。