学校での夏休みの水泳指導、各地で取りやめ相次ぐ その理由とは

AI要約

各地で夏休み中の水泳指導が取りやめになる理由が説明されている。

教員の働き方改革や熱中症リスクの懸念などが取りやめの理由として挙げられている。

さまざまな地域の学校で取りやめの動きが見られ、出席率の低下やコロナ禍の影響もあることが示唆されている。

学校での夏休みの水泳指導、各地で取りやめ相次ぐ その理由とは

 夏休み中に、学校のプールで教員が水泳指導をする。各地で続いてきたそんな課外活動が近年、取りやめになる例が相次いでいる。その理由とは。

 東京都新宿区立東戸山小学校では1学期最終日の7月19日、5、6年生が着衣泳の授業を受けた。児童らは「身体が重い」などと声を上げた。

 今年度の水泳の授業はこの日で終了だ。以前は夏休み中に10日ほど教員が水泳指導をしていたが、2年前にとりやめた。宇山幸宏校長は「真夏に登校させるのは熱中症のリスクがある。教員の働き方改革が必要であることも考慮した」。区内の半数以上の学校がとりやめたという。

 各地の教育委員会などによると、夏休みの水泳指導は、水遊びが中心のプール開放とは異なり、その学校の教員が授業に近い形で指導することが多い。授業にはあたらず、実施は学校の裁量による。

■「10日以上」から一転、各校判断に

 小金井市教委は昨年度まで小学校で10日以上、中学で3日以上と目安を示してきたが、今年度からは各校の判断に委ねることにした。

 同市内のある小学校は、今年度は実施しない。一因となったのが、出席率の低さだ。特に習い事などで忙しい高学年は1~2割にとどまり、全体でも3割程度だったという。

■「昨年も暑さで中止に」 コロナ境に取りやめも

 兵庫県尼崎市のある市立小学校も昨年度まで3日ほど行ってきたが、今年度からやめた。校長は「昨年も暑さで中止にした日があり、危険だと判断した」。

 名古屋市ではコロナ前、多くの学校で2回ほど行われていたが、市教委によるとコロナ後は激減した。長崎県の離島、新上五島町の小学校でもコロナ前まで数日間の「水泳教室」があったが、いまは実施していないという。(植松佳香、高浜行人)