ＮＹＴ「ハニヤ氏、宿舎に２カ月前に設置された爆弾で暗殺」

パレスチナの武装組織ハマスの最高政治指導者イスマイル・ハニヤ氏（６２）は貴賓用宿舎（ゲストハウス）に密かに設置された爆弾で暗殺されたと、米ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）が１日（現地時間）報じた。ハニヤ氏は外部から飛んできたミサイルでなく内部で爆発した爆弾で殺害されたということだ。

こうした内容は中東国家の官僚７人とイランの官僚２人、米国の官僚１人に確認したものだと、ＮＹＴは説明した。敏感な情報であるため官僚らは全員が匿名でＮＹＴのインタビューに応じた。

中東国家の官僚５人によると、爆弾は約２カ月前に宿舎に密かに搬入された。ハニヤ氏が宿泊したゲストハウスはイランの首都テヘラン北部の高級住宅街「ネシャト」として知られる複合施設に属する建物で、イラン精鋭軍の革命防衛隊が警護を担当していた。

ハニヤ氏が部屋に入ったことが確認された後、爆弾は遠隔操作で爆発した。この爆発で警護員も死亡したが、爆弾がどう設置されたかはまだ伝えられていない。

この爆発で建物全体が揺れ、一部のガラス窓が割れたほか、外壁の一部が崩れ落ちたと、革命防衛隊員のイラン官僚２人が説明した。その間、主にカタールに滞在していたハニヤ氏は、イラン訪問中に何度かこの宿舎に宿泊していたことが分かった。イラン当局者は「情報・セキュリティーの災難的失敗」とし「ハニヤ氏のような著名な客のための休養や秘密会議、宿泊施設としてこの団地を使用する革命防衛隊を当惑させた」と話した。

ＮＹＴによると、イスラムジハード運動指導者のジヤド・アルナハラ氏が隣の建物にいたが、彼の部屋は大きな損傷がなかった。これを受け、今回の爆発はハニヤ氏を標的にした計画だったという分析が出ている。

イランはハニヤ氏暗殺に言及していないが、イスラエル情報機関が事件直後、米国と西側国家にハニヤ氏暗殺作戦の具体的事項をブリーフィングしたと、ＮＹＴは中東国家の官僚５人を引用して伝えた。ブリンケン米国務長官は前日の放送のインタビューで、ハニヤ氏暗殺事件について「我々（米国）は認知しておらず、関与しなかった」と述べた。