サムスン「不況の中での投資」が光放つ…半導体売り上げ28兆ウォンで過去最大

AI要約

サムスン電子は4-6月期に過去最大の売り上げを記録し、メモリー部門が業績を牽引した。高付加価値製品の販売が増加し、メモリー平均単価も上昇した。

設備投資が実を結んで半導体業界で成功を収めたサムスン電子。来年のHBM供給量を2倍以上増やす計画で、顧客との協議の下で追加増産計画も進めている。

モバイル部門業績はオフシーズンの影響で減少したが、ギャラクシーS24シリーズの好調な売り上げが目立った。

サムスン「不況の中での投資」が光放つ…半導体売り上げ28兆ウォンで過去最大

サムスン電子半導体(DS)部門が4-6月期に過去最大となる四半期売り上げを記録した。この2年間に深刻な不況にも持続した設備投資が実を結び始めた。

サムスン電子は先月31日、4-6月期に売り上げ74兆700億ウォン(約8兆1123億円)に営業利益10兆4400億ウォンを上げたと公示した。前年同期比で売り上げは23%、営業利益は1462%増加した。メモリー需要が回復したDS部門が売り上げ28兆5600億ウォンと営業利益6兆4500億ウォンを記録し業績を牽引した。メモリー最高好況期だった2018年や、半導体部門が最大年間売り上げを記録した2022年の各四半期より高い売上額だ。

売上額では台湾の半導体メーカーTSMCの6735億1000万台湾ドル(約3兆942億円)も上回った。サムスン電子の四半期半導体売り上げがTSMCを上回ったのは2022年4-6月期以降で初めてだ。

人工知能(AI)サーバー用メモリーをはじめとする高付加価値メモリー売り上げの増大が好実績を牽引した。サムスン電子は「AIサーバー用製品の需要急増でメモリー業況が回復し、企業独自のサーバー用メモリー需要も増えた」とし、高容量DRAMであるDDR5、サーバー用保存装置ソリッドステートドライブ(SSD)、広帯域メモリー(HBM)のような高付加価値製品の販売が増えたおかげだと明らかにした。メモリー平均単価(ASP)が前四半期比でDRAMは10%台後半、NANDメモリーは20%台上昇したのも業績に影響を与えた。

サムスン電子メモリー戦略マーケティング室長のキム・ジェジュン副社長は業績発表カンファレンスコール後の質疑応答で、「前四半期よりHBM売り上げは50%台、サーバー用DRAMは80%台、サーバー用SSDは40%台の売り上げ成長を見せた」と話した。

HBM3E(第5世代)のエヌビディアへの納品についてキム室長は「顧客関連情報は言及できない」としながらも、「HBM3Eの8層製品は主要顧客にサンプルを供給して評価が進行中で、7-9月期に本格量産の予定であり、業界で初めて開発したHBM3Eの12層製品もさまざまな顧客の要請に合わせて下半期に供給を増やす予定」と話した。サムスン電子は下半期のHBM売り上げが上半期の3.5倍に増え、中でもHBM3Eの売り上げが急増して10-12月期には全HBM売り上げの60%を占めるとみた。

好業績は不況にも止めなかった設備投資が、「半導体の春」を迎えて本格的に花開いた格好だ。サムスン電子は半導体施設投資を2021年に43兆5670億ウォン、2022年に47兆8717億ウォン、2023年に48兆4000億ウォンと増やし続けた。半導体業況が最悪だった昨年も「必須クリーンルームを確保し中長期需要に対応する」として平沢(ピョンテク)のHBMとDDR5生産能力を増やした。メモリー寒波が終わりDRAMなどの在庫が早く消費され、サムスンは増やしておいた生産能力により、需要が増えるタイミングでスムーズに対応できたと評価される。

サムスン電子は「来年のHBM供給量は今年より2倍以上増やす計画だが、それでも顧客からの要請が増えており、顧客との協議の下で追加増産規模も確定する」と明らかにした。

4-6月期のモバイル(MX)部門業績は売り上げ27兆3800億ウォンに営業利益2兆2300億ウォンで、スマートフォン市場のオフシーズンの影響で前四半期より売り上げと営業利益がともに減った。ただ、「ギャラクシーS24シリーズ」の売り上げ好調で、スマートフォン売り上げと出荷量がともに前年同期比2桁成長した。ディスプレー事業は4-6月期に売り上げ7兆6500億ウォンで18%増、営業利益1兆100億ウォンで17%増となった。