警官が倒れた男性の頭を踏みつける動画が炎上。イギリスで抗議活動が拡大
マンチェスター空港での逮捕劇がSNSで拡散され怒りの声が上がっている。抗議活動も広がりつつある。
警官が男性の顔面を蹴ったり頭を踏みつけたりする様子が映っており、警察の発表では男性が抵抗し警官に攻撃を仕掛けたとしている。
事件後、グレーター・マンチェスター警察の署長は警官の行為を非難し、停職処分が下された。IOPCが調査中。
英マンチェスター空港で、警官が倒れた男性の顔面を蹴り、頭を踏みつける様子が撮影された。SNSで動画が拡散されている。怒りの声が広がり、イギリス各所でグレーター・マンチェスター警察に対し抗議活動が行われている。
BBCによると7月23日の午後8時25分ごろ、マンチェスター空港の第2ターミナルから暴行の通報があった。数人が口論になっており、警官3人が仲裁のため向かったという。
警察の発表では、男性1人を拘束しようとしたところ、警官らが攻撃を受け、1人が鼻を骨折した。
「銃器を奪われる危険性があった」ため、警官らはテーザー銃を使用したという。暴行や公務執行妨害などの疑いで男4人が逮捕された。
通行人や当人が撮影した逮捕の様子が、Xで拡散されている。
逮捕の前後に何が起きたかは明らかになっていないが、手を挙げている男性らにテーザー銃を向ける警官の姿が確認できる。「床に伏せろ！」「下がれ！」と何度も叫ぶ場面から、緊迫した状況が伝わる。
警官が無抵抗の男性に催涙スプレーのようなものをかけ、地面に押し付ける様子も映っていた。
「彼らは何もしていないのに」と言う女性の声も聞こえる。
問題となった動画では、すでに床に伏せている男性の顔に警官が蹴りを入れ、上から頭を踏みつけている。男性はぐったりした様子だが、別の動画で警官に連れられ立ち上がっていた。
ガーディアン紙によると、グレーター・マンチェスター警察のワシム・チョードリー署長は次のように述べている。
「本当にショッキングな出来事で、人々が非常に懸念しているのは当然です。 逮捕の際にこのような力が行使されるのは異例であり、警戒心を抱かせるものだと我々は理解しています」
警察は関与した警官らを現場から外し、7月25日に停職処分を言い渡した。現在、独立警察監視局（IOPC）が調査している。
インデペンデント紙によると、蹴られた男性は19歳。家族は「トラウマ」を抱えており、男性の「脳にのう胞が見られる」と弁護士が発表した。
