リオ・ティントのリチウム開発事業、セルビアで数千人が抗議集会
セルビアの都市シャバツでリオ・ティントのリチウム開発事業に反対する抗議集会が数千人によって開かれた。
参加者は事業中止を求め、生態系の破壊を憂慮している。
リチウムは欧州や米国で重要視される鉱物であり、抗議活動は国内で激しさを増している。
[SABAC(セルビア 29日 ロイター] - セルビアの都市シャバツで29日、資源大手リオ・ティントのリチウム開発事業による環境汚染を懸念する数千人が抗議集会を開いた。
抗議集会の参加者は事業の中止を要求した。権利擁護団体の関係者は「われわれはきれいな空気と水がなければ生きていけないが、リチウム電池と電気自動車がなくても生きていける」と訴えた。
リオ・ティントはセルビア西部ジャダールにあるリチウム鉱山の採掘開始を目指しているが、計画は激しい反対に直面している。先週には、採掘に反対する抗議活動が国内の複数都市で行われた。ジャダール鉱山は欧州最大級とされている。
29日の抗議はシャバツのほか、セルビア中部の3つの町でも行われ、今後数日間、さらに集会が開かれる見通しだ。
セルビア政府は今月、ジャダールのリチウム鉱山開発の許可を、環境保護団体の抗議により取り消してから2年以上を経て復活させた。
リチウムは電気自動車(EV)やモバイル機器の電池に用いられており、欧州連合(EU)と米国から重要鉱物とされている。