パリで反五輪集会、「ガザ停戦」訴え 親イスラエル団体と応酬も

AI要約

パリ・オリンピックの開幕を翌日に控えた25日夜、パリ中心部の共和国広場でNGOの集会が行われ、五輪反対とガザ地区への連帯が訴えられた。

親パレスチナと親イスラエルのデモが近くで行われ、スローガンが飛び交い、治安部隊が衝突を防ぐために展開した。

ガザ地区の戦闘について意見が割れ、五輪についても物議を醸している状況が示唆された。

パリで反五輪集会、「ガザ停戦」訴え 親イスラエル団体と応酬も

 パリ・オリンピックの開幕を翌日に控えた25日夜、パリ中心部の共和国広場で開かれたNGOの集会では五輪反対と並び、戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ地区への連帯が主要なスローガンの一つとなった。一方、広場近くでは親イスラエルの団体も「カウンター」と呼ばれるデモを行い、道路を挟んでスローガンで応酬する事態となった。

 「パレスチナに自由を」「反ユダヤ主義をやめろ」――。共和国広場付近では、親パレスチナと親イスラエルのスローガンが飛び交った。治安部隊はデモ隊同士の衝突を防ぐために道路脇に展開し、付近には一時、緊張感が漂った。

 パレスチナの旗を背負ったエンジニアの男性、ファディ・オスマンさん(49)は「パレスチナで起きていることは不正義の象徴だ。イスラエルのチームが五輪に参加するのは人として受け入れられない」と批判。平和の推進を掲げる五輪についても「(国連総会が決議した)五輪休戦は一度も守られていない。五輪は商業的なイベントにすぎない」と切り捨てた。

 一方、親イスラエルのデモに参加した女性、マリラ・ブロッシルさん(52)は「ガザ地区の戦闘が始まって以来、政治家などから反ユダヤ的な言動が目立つようになった。パレスチナの支援者は五輪を利用して左翼的な思想を広めようとしている」と主張した。

 ガザ地区では昨年10月以降、イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が続いており、これまでにイスラエル側で約1200人、ガザ地区で3万9000人以上が死亡している。【パリ金子淳】