トランプを断罪できない米リベラル派の犯罪行為バラします!

AI要約

アメリカの連邦最高裁判所は、元大統領について刑事責任が部分的に免責されるとの判断を示した。その判決には賛否両論があり、議論が続いている。

一部の判事は、公的な行為については免責されるが、公的でない行為については責任を問われるべきだと指摘した。一方、異議を唱える判事もおり、大統領には法の上に立つ者としての責任があると主張した。

この判決や議論を通じて、アメリカ大統領の過去の違法行為や権限乱用についての認識が再燃しており、今後の動向が注目されている。

トランプを断罪できない米リベラル派の犯罪行為バラします!

アメリカの連邦最高裁判所は7月1日、ドナルド・トランプ前大統領ら歴代大統領について、刑事責任が部分的に免責されるとの判断を示した。

判事9人のうち6人は、大統領について、「公的な行為」に関しては免責されるが、「公的ではない行為」に関しては免責されないとし、地裁で審理するよう指示したのである。

反対した3人のうち、ソニア・ソトマイヨール判事(下の写真)は、判決シュラバスのなかで、「法の上に立つ者はいないという、わが国の憲法と行政制度の根幹をなす原則を愚弄(ぐろう)するものだ」と書いた。

さらに、彼女は、大統領が海軍の「シールズ・チーム6」に政敵の暗殺を命じたり、政治権力を保持するためにクーデターを組織したりしても、刑事訴追を免れると警告した。

「リベラル派」に属するとされるこの判事の言い分は、真っ当なものにみえるかもしれない。

しかし、騙されてはならない。オーナ・ハサウェイ・イェール大学ロースクール国際法教授(下の写真)が7月16日に公表した論文「世界の他の国々にとって、米大統領は常に法の上にある」にあるように、「何十年もの間、アメリカの大統領は違法な戦争を行い、外国の指導者の暗殺を企て、人々を不法に拘束し、拷問し、民主的な政府を倒し、抑圧的な政権を支援してきた」のである。

そう、ソトマイヨール判事の意見陳述は、こうしたアメリカ大統領による恐るべき「独裁」という現実を隠蔽(いんぺい)しかねないのだ。

そして、トランプ大統領が再選されると「独裁」になると脅す人々(たとえば、ネオコンの理論家ローバート・ケーガン)は、明らかに「嘘」をついている。すでに、アメリカ大統領は「独裁者」なのだから。

まず知ってほしいのは、アメリカ大統領の命令で世界中の何十万、何百万もの人々が殺されてきたという事実である。

たとえば、拙著『帝国主義アメリカの野望』では、2003年のイラク戦争以降の紛争をめぐって、「アメリカ軍、アルカイダ過激派、イラクの反乱軍、あるいはテロリスト集団『イスラム国』の手によって、約20 万人の市民が死亡した。

イラク軍と警察の少なくとも4 万5000 人、イラク反乱軍の少なくとも3 万5000 人も命を落とし、さらに数万人が人生を左右するような傷を負った」と書いた。ハサウェイは、「アナン国連事務総長が『違法』と呼んだ2003年からのアメリカのイラク戦争の直接の結果として、およそ30万人のイラク市民が殺された」と指摘している。

他方で、アメリカとイギリスは、2001年にはじめた、アフガニスタンでのタリバン、アルカイダ、関連勢力との戦争を、国連憲章第51条(国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合、個別的または集団的自衛の固有の権利を認めている)を理由に正当化した。

この勝手な言い分による戦争の結果、「7万人以上のアフガニスタンとパキスタンの民間人が死亡したと推定されている」と、ハサウェイはのべている。