ロシアと中国、北極圏でも協力強化に警戒 米国が新戦略を発表

AI要約

米国防総省が北極戦略を改定した戦略文書を公表。ロシアと中国の協力を警戒し、北極圏での情報・監視・偵察能力の強化に取り組む。

戦略は、ロシアと中国の関係強化や気候変動を受けて更新。中国は北極で軍事的存在感を持ち、ロシアも存在感を増している。

北極8カ国のうち唯一NATO外のロシアが軍事施設を改修し、地域での存在感を示す状況にある。

ロシアと中国、北極圏でも協力強化に警戒 米国が新戦略を発表

 米国防総省は22日、北極戦略を改定した戦略文書を公表した。ウクライナに侵攻したロシアと支援する中国が北極圏でも協力を強めていると強く警戒する内容で、情報・監視・偵察能力の強化による状況把握や、訓練を通じたプレゼンスの発揮、同盟・友好国と協力した抑止の維持などに取り組むとしている。

 今回の戦略は、ロシアと中国の関係強化やスウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟、気候変動の加速などを受けて2019年の戦略文書を更新する形となった。

 同省によると、中国は北極圏で3隻の砕氷船を運用しているほか、ロシア海軍と北極圏で合同作戦をするなど軍事的な存在感も持つ。北極圏8カ国のうち唯一NATO外のロシアも、ソ連時代の軍事施設を改修するなどこの地域での存在感を増している。