《ブラジル》見上げれば電信柱の上にバイク=無人気球の通過落下で災難

AI要約

22日未明、サンパウロ市東部のアリカンドゥヴァ地区で気球が電気配線に落下し、火災や停電が発生。住民に被害はなかったものの、約40万軒のうち1万4千軒の電気が未復旧。

気球は異常な現象を引き起こし、車やバイクに被害をもたらす。地元住民は無責任な行為として非難。

エネル社やCPTMも影響を受け、消防は気球を飛ばした犯人を捜査中。

《ブラジル》見上げれば電信柱の上にバイク=無人気球の通過落下で災難

 サンパウロ市東部アリカンドゥヴァ地区のアルト・ベロ街で22日未明、巨大な気球が電気配線に落下し、七つの地区で停電が発生した。消防によると、気球は電気配線に接触して一部を焼き、住宅火災を引き起こしたが、けが人などは出ていないという。この気球が上空を通過する際、車を引きずって横転させたり、バイクを持ち上げて電線に引っ掛ける異例の現象が発生し、その様子が広く報道され話題を集めている。同日付エスタード紙などが報じた。

 気球落下による火災は午前3時ごろに発生し、通報によって駆けつけた消防により、午前6時ごろまでに火は消し止められたという。

 気球の一部が敷地を直撃した住民は、「裏庭の爆発音で目が覚めた」と話している。気球の一部が運動場に落下した保育園の職員は、「このようなことをする無責任な人々がいるのが残念です。今日、子どもたちは登園できず、ご家族も被害を被っています」と語った。

 電力供給を担当するエネル社によると、停電の影響を受けたイタケラ、サンミゲル・パウリスタ、エルメリーノ・マタラーゾ、ヴィラ・ジャクイ、ヴィラ・カルモシーナ、ヴィラ・プログレッソ、ヴィラ・レの7地区の約40万軒のうち、同日午後1時半時点で1万4千軒の電気が復旧していない状況だった。

 サンパウロ市民の足であるCPTM(パウリスタ都電)11号線にも影響が出た。午前4時10分から10分間、電車は単線運行となり、ホームでの停車時間が長くなったため遅延が発生したと報告された。

 ある青年がSNS上に投稿した動画では、気球の衝撃で母親の車が横転し、自身のバイクが持ち上げられて電信柱の上の電線に引っかかった異様な様子が映し出されている。「どうして僕のバイクがこんなところに? 今日、仕事で使うバイクだ。母も出勤するために車を使わないといけないのに」と彼は憤りを見せた。

 気球はサンミゲル・パウリスタ地区で打ち上げられ、コリンチャンスのサッカースタジアムがあるイタケラを通過し、アリカンドゥヴァ地区に到着し、そこで墜落したとみている。警察は気球を飛ばした犯人を特定するため、この事件を捜査している。

 サンパウロ州保安局(SSP―SP)によると、消防は気球落下による火災事故に今年既に15件に立ち会ったという。気球の製造、販売、輸送、打ち上げは、法律9605/98第42条で環境犯罪と定められており、1年以上3年以下の懲役または罰金刑に科される可能性がある。