日本の軽トラ、米国でブーム 幅広い層に人気の理由は

AI要約

米国で人気の日本の軽トラックについて。小さいながらも使いやすく手ごろな価格で注目を集めている。

軽トラックの人気はSNS上でも顕著で、フォロワー向けにグッズを販売したり、軽トラの写真を共有したりしている。

軽トラックの需要が増加中で、使い勝手や価格面から魅力を持つ。規制に関しては州によってまちまちだが、需要は継続している。

日本の軽トラ、米国でブーム 幅広い層に人気の理由は

(CNN) 車体の全長はフォードの「F―150」の半分ほど。米国の標準的なピックアップトラックに比べると、軽トラックはまるでおもちゃのように見える。だがそれほど小さな車が米国で驚くほどの人気ぶりを見せている。

日本の軽トラック(軽トラ)の米国での販売台数は過去5年で3倍に増え、日本中古車輸出業協同組合によれば、昨年だけで約7500台が米国へ輸出された。

専門家は軽トラ人気について、ピックアップトラックが大型化して平均価格が急騰する中で、家計の苦しい米国人の大型トラックに対する反発が背景にあるとみる。

だがそのカルト的人気は、所有者やファンのネット上の行動の方に表れているかもしれない

インスタグラムのページ「ケイトラック・アプリシエーション・ソサエティー(@keitrucksas)」は9万5000を超すフォロワー向けに、スウェットやステッカーなどの軽トラグッズを販売したり、ミームを掲載したりしている。X(旧ツイッター)では軽トラファンが、街で見かけたミニトラックの写真を共有する。

レディットには専用フォーラムまであり、2万3000を超すメンバーがメンテナンスのこつや日本からの輸入体験などを語り合っている。

一方で、州による軽トラ規制も話題になる。

米連邦法は25年以上の中古車に限ってミニトラックの輸入を認めているが、道路上での使用や登録に関する州法はまちまちだ。

ほとんどの州は軽トラのみを対象とする規則がなく、現時点で軽トラの公道走行を認めているのは19州のみ。規制が厳しいニューヨーク州では軽トラの登録も所有権証明書の発行もできない。

それでも軽トラ需要は増大し続ける。なぜそれほど人気があるのか。

実用面では、軽トラは使いやすさと手ごろさを兼ね備える。

「人々はトラックの機能性を求める半面、それほどの大きさは望まないし、6万ドル(約940万円)も費やしたいとは思わない」軽トラの仲介を手掛けるOIWAの最高経営責任者(CEO)ジョージ・ゾトスさんはそう語る。

ゾトスさんによると、軽トラの店頭表示価格は500~6000ドル程度。CNNの調査によれば、状態が良ければそれ以上の値段が付くこともある。

メリーランド州ロックビルで日本食品店を営むイチノ・テツさんは、軽トラを5000ドルで購入したとCNNに語った。輸送費と税込みで8100ドルだった。

昔からトラック大好きだったイチノさんは、トヨタのピックアップトラック「タンドラ」を3月に売却した。当初は同じサイズの別のトラックを買う予定だったが、気が付くと軽トラブームのとりこになっていたという。

イチノさんが購入したホンダ「アクティ」1998年モデルのエンジンは、バイクよりも小さい。それでも最も実用的なトラックの一つだとイチノさんは話す。メリーランド州には軽トラの規制がなく、主に商品などを店に運ぶために利用しているという。

日本車の輸入会社を経営するアンドルー・オブライトさんによると、ほとんどのミニトラックの荷台サイズは約1.8メートル。けん引力とパワフルなエンジンを誇るフォードのF―150とほとんど変わらない。

「F―150の実用性がありながら、1リットルで13~21キロも走り、保険料も安い。消費者にとってはこれしかない」(オブライトさん)