米共和党全国大会最終日、主なポイント

AI要約

トランプ前大統領の告知演説を含む共和党全国大会の最後の夜には、タッカー・カールソン氏のスピーチやバイデン大統領への批判が繰り広げられ、トランプ氏自身も自身への暗殺未遂について語った。

トランプ氏はバイデン大統領を非難し、バイデン氏の名を一度口にするつもりがなかったにもかかわらず2度名前を出してしまった。また、メラニア夫人の登場や政治的な攻撃など、異例の展開も見られた。

共和党全国大会では政治家よりも右派系の著名人が登場し、特に元プロレスラーのハルク・ホーガン氏がトランプ氏を「真の米国のヒーロー」と宣言するなど、異例の内容となった。

米共和党全国大会最終日、主なポイント

(CNN) 米共和党全国大会最後の夜、会場となったウィスコンシン州ミルウォーキーのアリーナでは、扇動的な言説で知られるジャーナリスト、タッカー・カールソン氏のスピーチや、民主党に対する数多くの批判が繰り広げられた。それらを締めくくるトランプ前大統領による大統領選の候補指名受諾演説は、長大で多岐にわたる内容となった。そこには当初の予定にはなかった政治的な攻撃や、本人の脆(もろ)さを垣間見せる珍しい一幕もあった。

主なポイントは以下の通り。

トランプ氏は厳粛な面持ちで、13日の選挙集会で起きた自身に対する暗殺未遂を「痛ましい」」事件と形容。銃撃を受けたときの様子を詳細に語った。

その上で、本来なら自分はこの場にいなかったとの思いを吐露した。客席からはそれを否定する声が上がったが、トランプ氏は「私がこのアリーナであなた方の前に立っているのは、全能の神による恵み以外の何物でもない」と返答した。

演説でバイデン大統領の名を一度しか口にするつもりはないと述べたトランプ氏だったが、実際には2回口にした。まず歴史上最悪の大統領だと名指しで糾弾。その後もう名前を出さないと明言するところで再びその名を呼んだ。

バイデン氏に言及しなかった理由には、結束した前向きな共和党を印象づけたいとするトランプ陣営の思惑が含まれていた。しかし同時に、バイデン氏とはどちらにせよもう対決しないかもしれないからという別の要因も考えられる。

トランプ前政権が終わりを迎えて以降、メラニア夫人は公の場にあまり姿を見せてこなかった。トランプ氏が起訴された口止め料を巡る裁判にも、CNNが主催した大統領選の討論会にも、夫人は出席しない判断を下した。

共和党の全国大会には18日の夜に初めて登場した。ただこれまでの選挙イヤーとは異なり、本人がスピーチすることはなかった。

18日夜、トランプ氏の演説に先駆けて登壇した面々のテーマは、テストステロン(男性ホルモン)だった。

それは元プロレスラーのハルク・ホーガン氏のスピーチで最高潮に達した。同氏は演説しながら着ていたTシャツを引き裂き、トランプ氏こそ「真の米国のヒーロー」と宣言してみせた。

政治的な集会に、生真面目な政策談義が盛り込まれることはまずない。ただ通常の基準でさえ、問題の存在や手っ取り早い解決策を確認することは往々にしてあるものだ。その基準に照らしても、今年の共和党全国大会は困惑させられる内容だった。

とりわけ最終日の夜はそうだ。そこには政治家がほとんど登場せず、右派系の著名人に出番を譲る形となっていた。