ヘイリー氏「党の結束だけでなく拡大を」 共和党大会演説 無党派、民主党支持層を意識

AI要約

ヘイリー元国連大使が共和党全国大会で演説し、トランプ前大統領支持に留まらず、バイデン政権に不満を抱く国民にも党勢を拡大するよう訴えた。

ヘイリー氏は反トランプ票の受け皿として注目を集め、支持を広げるために党を結束するだけでなく拡大する必要性を強調した。

ヘイリー氏の支持者や政治アナリストからは、ヘイリー氏の演説が次期大統領選への布石として捉えられている。

米大統領選に向けた共和党全国大会で16日に演説したヘイリー元国連大使は、大統領候補指名を受けたトランプ前大統領への支持にとどまらず、バイデン政権に不満を抱く国民にまで党勢を拡大することを訴えた。指名争いで「反トランプ票」の受け皿となったヘイリー氏の呼びかけが奏功するか注視される。

ヘイリー氏は3月に指名争いから撤退した後もトランプ氏支持を表明せず、各州予備選で一定の得票を集めて存在感を示した。16日の演説の当初、そのヘイリー氏に対する会場の反応は、ブーイング混じりだった。

しかし、ヘイリー氏が「党を結束するだけではなく、拡大せねばならない。違った背景や経験を持つ人々を招き入れたとき、われわれはもっと強くなる」などと述べると、最終的には大きな歓声を集めた。

大統領選では無党派層の動向が行方を左右するとされる。ヘイリー氏が、トランプ氏に「100%」同意する必要はないと述べたのも、共和党支持層以外に支持を広げる狙いだったとみられる。

ヘイリー氏の支持者だった米自治領プエルトリコの代議員イリカ・ルイスさんは、「バイデン大統領に危機感を抱く無党派や民主党支持者への訴えかけを意識した」と演説を分析。ヘイリー氏の地元サウスカロライナ州代議員、チャド・コネリーさんは「トランプ氏を支える強力なメッセージになった」と評した。

ただ、2028年の大統領選出馬を視野に入れているとの見方もあるヘイリー氏には、厳しい視線もあった。

イリノイ州の会社経営、リック・ローレンスさん(60)は「ヘイリー氏は勝ち目がない予備選を戦い続けた。トランプ氏が求心力を強める党で、ヘイリー氏が4年後に支持を得るのは難しい」と述べ、副大統領候補に指名されたバンス上院議員が強敵となるとの見通しを示した。(ミルウォーキー 渡辺浩生)