2年前にポーランドで「信号弾」…新たな分岐点迎えた「韓国原発ルネサンス」

AI要約

韓国原発業界が再び活況を取り戻しつつある。政権交代により脱原発政策を廃止し、親原発政策を展開している。国外での原発建設事業の受注が相次ぎ、売上高も増加している。

特にチェコでの大規模な原発建設プロジェクトの受注が決定し、韓国原発業界の復活に大きく貢献している。この事業は15年ぶりに韓国がEPC全般を受注する大規模な原発事業となる見込み。

今後、このチェコ事業の成功が欧州連合諸国での原発事業の受注の機会を広げ、韓国の原発業界にさらなる成長をもたらす可能性がある。

2年前にポーランドで「信号弾」…新たな分岐点迎えた「韓国原発ルネサンス」

文在寅(ムン・ジェイン)政権の「脱原発」政策で萎縮した韓国原発業界がまた翼を広げている。2022年5月に発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は脱原発政策を廃止し、原発と再生可能エネルギーを幅広く育成する「親原発」政策を展開し始めた。原発業界復活の信号弾は2022年10月に打ち上げられた。産業通商資源部がポーランド国有財産省と「ポントヌフ原発プロジェクト」協力業務協約(MOU)を、韓国水力原子力がポーランド電力公社(PGE)などと協力意向書(LOI)を締結した。ポーランドのポントヌフ地域に1400MW級原発を最大4基(事業費40兆ウォン前後推定)建設する事業を韓国が受注する有利な位置に立った。

今年2月23日(現地時間)には現代建設がブルガリアのコズロドゥイ原発建設の施工事業(事業費9兆ウォン前後推定)を事実上受注するのに成功した。優先交渉対象者に選定されたのだ。

こうした努力が積み重なり2022年から昨年まで原発設備輸出額は4兆1000億ウォン(約4650億円)と、文政権当時の2017-21年の輸出額(約5900億ウォン)の6.8倍にのぼった。原発業界の売上高は2021年の21兆6000億ウォン水準から22年には25兆4000億ウォンへと4兆ウォン近く増えた。

17日には韓国の「チームコリアコンソーシアム」(韓水原、大宇建設、斗山エナビリティ)がチェコ原発建設事業(事業費24兆ウォン以上)を事実上受注(優先交渉者に選定)し、新たな分岐点を迎えた。2009年のアラブ首長国連邦(UAE)原発(計4基)受注以来15年ぶりに韓国がEPC(エンジニアリング・購買・施工)全般にわたる大規模な原発事業を受注するからだ。

チェコ事業受注で原発業界の回復を加速する「K原発ルネサンス」が開かれているという評価(ノ・ドンソク韓国エネルギー情報文化財団原発疎通支援センター長)が出ている。この事業だけで15年間、施工、設計、運転、整備など原発生態系全般に業務を供給する効果があるからだ。関連の企業も大企業、中小企業を網羅する。中小企業中央会は18日の論評で「大企業に納品する多くの原発中小企業にも波及効果が発生するだろう」という見方を示した。大韓商工会議所も「新規雇用創出、地域経済活性化にも大きく寄与する」と述べた。

チェコ事業の受注は今後、ほかの欧州連合(EU)国家などで出てくる大規模な原発事業を受注する踏み台の役割もする見通しだ。大信証券のホ・ミンホ研究員は報告書で「政治的な影響力が大きい欧州での受注成功は、韓国原発の価格競争力、工事期間の遵守、原発バリューチェーン支援能力などが政治的な影響力より優位であることを証明した」と明らかにした。

大統領室の関係者は「最近、尹大統領が米ワシントンで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した当時、オランダ、スウェーデン、フィンランドだけでなく英国の首脳との会談でも原発の話が出てきた」と伝えた。

今後の不確実性を高める要因は、政権交代などでまた文政権当時のように脱原発政策に回帰する可能性だ。エネルギー源から原発を人為的に排除すれば国内原発業の生態系が収縮し、これを基盤とする輸出にも悪影響を及ぼす。安徳根(アン・ドクグン)産業部長官は「海外の複数のところから『原発政策が変わらないという保障をしてほしい」』という話を聞いた」とし「政策環境を安定的に進めていけるよう国会と共に最善を尽くしていく計画」と述べた。