ロシア、暗号資産決済巡るリスク慎重に検討を=当局者

AI要約
ロシアのマネーロンダリング監視当局は暗号資産決済インフラの構築を加速すべきだが、関連するリスクを慎重に検討すべきロシアは主要貿易相手国との決済が遅れており、新法案では暗号資産を使った国際貿易を認める暗号資産による決済を導入する国が増加し、米議員らの懸念も高まっている
ロシア、暗号資産決済巡るリスク慎重に検討を=当局者

Elena Fabrichnaya

[モスクワ 17日 ロイター] - ロシアのマネーロンダリング(資金洗浄)監視当局責任者のユーリ・チェハンチン氏は17日、議会でデジタル資産法案が採決されるのを前に、同国は暗号資産(仮想通貨)決済インフラの構築を加速すべきだと主張しつつも、関連するリスクを慎重に検討する必要があると訴えた。

ロシアは中国、インド、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコといった主要貿易相手国との国際決済が大幅に遅れる事態に直面している。貿易相手国側の銀行が西側当局の圧力を受けて、ロシアとの取引に慎重姿勢を強めているためだ。

そうした貿易フローを維持する狙いから、議会で23日に審議される予定の新たな法案は、国際貿易の決済に暗号資産を使うことを認めている。

チェハンチン氏は法案について「企業が国際市場に参入する際、特に制裁メカニズムが働いて標準的な手法では問題を解決できない場合に必要になる」と述べた。

ベネズエラなどの国は既に、国際制裁を回避するため暗号資産による決済を導入。これについて米議員の間で懸念が強まっており、議員団はバイデン政権に問題を提起した。

チェハンチン氏は、一部の国における暗号資産に関する緩い法制度が主要なリスクになっていると指摘したが、具体的にどの国を念頭に置いているかには言及しなかった。その上で同氏は、国際取引がロシアの法律に違反する場合には、当局がこうした取引を阻止できる権限を有するべきだと強調した。