【2024米大統領選】民主党の重鎮ナンシー・ペロシ氏、「バイデン撤退」を水面下で画策か（海外）

アメリカの民主党の重鎮、ペロシ元下院議長はバイデン大統領を撤退させるために、党内の関係者とひそかに協力しているとポリティコが報じた。

ペロシ元下院議員は先週のMSNBCのインタビューで、バイデン大統領の出馬に支持を表明することを避けていた。

2024年の大統領選について、「時間はどんどんなくなっているから」バイデン大統領は早く「決断を下す」べきだとペロシ元下院議員はMSNBCに語っていた。

アメリカのバイデン大統領は11月に迫った大統領選から撤退しそうにないため、民主党の重鎮、ペロシ元下院議長は自らの手で問題を解決しようとしているのかもしれない。

ポリティコは7月15日、関係者の話をもとに、ペロシ元下院議長が「バイデンは負けると確信している」と報じた。また、6月27日の討論会以来、バイデン大統領を撤退させるために水面下で「電話をかけ続けている」という。

また、ペロシ元下院議長は先週、下院民主党の控室でハキーム・ジェフリーズ（Hakeem Jeffries）院内総務と話しているところを目撃されたと、ポリティコはそのやりとりを目撃したペロシ元下院議長の同僚の話を引用して伝えている。

そして、12日にはジェフリーズ院内総務が民主党議員への書簡の中で、前日にバイデン大統領と個人的に会ったと述べた。

「バイデン大統領との会話の中で、 わたしは幹部会で共有された幅広い洞察、心からの視点、そしてこれから進むべき道についての結論を直接的に表現した」とジェフリーズ院内総務は書いている。

注目すべきは、ジェフリーズ院内総務の書簡には、下院民主党がバイデン大統領の撤退を望んでいるのか、それとも続投を望んでいるのか、書かれていないことだ。

ポリティコによると、ペロシ元下院議長は民主党の大物議員たちとも連絡を取り合っていて、民主党の崩壊はバイデン大統領のレガシーの一部であってはならないと元議員に語ったという。

ペロシ元下院議長が10日にMSNBCの『Morning Joe』に出演した際、バイデン大統領の支持を明言しなかったことは注目に値する。

「（選挙戦を続けるかどうかは）大統領次第だ」とペロシ元下院議長は語った。

「わたしたちは皆、バイデン大統領に決断を下すよう促している。時間はどんどんなくなっているからだ」

「バイデン大統領には、やると決めたのであれば何でもやって欲しい。彼が何を決めるにせよ、わたしたちはともに進む」とペロシ元下院議長は続けた。

その後、ペロシ元下院議長の代理人は同じく10日にコメントを発表し、選挙戦を続けるどうかはバイデン大統領次第だと繰り返した。このコメントも、バイデン大統領の出馬を全面的に支持するものではなかった。

「ペロシ元下院議長は、バイデン大統領がどのような決断を下そうと全面的に支持する。わたしたちはこの選挙戦がなぜこれほど重要なのかに注意を向けなければならない。ドナルド・トランプはわたしたちの国とわたしたちの民主主義にとって災いとなるだろう」とペロシ元下院議長の広報担当のイアン・クレーガー（Ian Krager）氏はワシントン・ポストにメールで回答した。

ちなみに、同様のスタンスを取っているのはペロシ元下院議長だけではなさそうだ。複数の民主党議員が、11月の大統領選での"バイデン勝利"を信じられなくなっている。

6月27日に行われたトランプ前大統領との討論会での"惨敗"を受け、バイデン大統領に選挙戦からの撤退を求める声が高まっている。

少なくとも民主党の下院議員18人と上院議員1人が撤退を要求している。

ただ、バイデン大統領は選挙戦にとどまりたいという姿勢を崩していない。

「わたしは年寄りだ。でも、わたしはトランプより3つ年上なだけで、わたしの知的な鋭敏さはそこそこ良い」とバイデン大統領は15日、NBC Newsのインタビューで語った。

その上で「わたしはこの3年半の間に、どの大統領よりも多くのことを成し遂げてきた。なので、その点を評価されてもいいと思っている」と続けた。

Business Insiderはペロシ元下院議長とバイデン大統領の担当者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。