英誌が都知事選2位の石丸伸二を「SNSのポピュリスト登場」と報じる

AI要約

石丸伸二が東京都知事選で2位に食い込んだ理由とソーシャルメディア活用の影響について注目されている。

石丸はYouTubeやTikTokを巧みに使い、若者票を獲得。彼の無名な立場でも注目を集めた。

石丸の独自の手法によって、日本の政治に新たな影響が及ぼされつつあることが示唆されている。

英誌が都知事選2位の石丸伸二を「SNSのポピュリスト登場」と報じる

東京都知事選で予想に反して2位に食い込んだ石丸伸二に、英誌「エコノミスト」も注目。SNSを巧みに使って若者票を獲得した彼を、日本の政治にこれまでいなかった「ソーシャルメディアのポピュリスト」と伝えている。

日本の政治はおおむね退屈だ。だが7月7日に投開票された東京都知事選は違った。56人の候補者は、その多くが変わり者で、辛らつな言葉をぶつけ合った。選挙ポスターの掲示板には犬の写真が登場したり、ほぼ全裸の女性の画像が貼られたりした。

ある候補者は映画『バットマン』のジョーカーに扮し、全国ネットのテレビで戯言(たわごと)をまくしたてた。別の候補者は同じ政見放送で、服を脱いだ。

最終的には、現職の小池百合子知事が約43%の得票率で3選を果たした。だが話題をさらったのは、ほぼ無名だったにもかかわらず2位に食い込んだ石丸伸二(41)だ。

世界では近年、ソーシャルメディアを駆使するタイプのポピュリズムに政治がひっくり返されているが、これまで日本の有権者はそういった手法に不思議と動じないように見えた。しかし、石丸の登場でそれも変わったようだ。

ほとんどの人は、与党・自民党の元国会議員である小池と、立憲民主党の支援を受けた蓮舫の一騎打ちになると予想していた。小池も蓮舫も、政界入りする前はテレビのニュースキャスターとして活躍していた有名人だ。

だが石丸にとって無名であることは障害にはならなかった。

石丸の短い政治キャリアは、広島県の安芸高田市長としての4年間だけで、特筆すべき業績を残したわけではない。彼の立候補を支持した政党もなかった。

そんななかで石丸が駆使したのがソーシャルメディア、とくにYouTubeとTikTokだ。彼のYouTubeチャンネルの登録者数は30万人以上。一方、小池と蓮舫の公式チャンネルは、それぞれ3000人と1万人しかいない。

石丸が安芸高田市議会で居眠り中の議員を叱責した様子を捉えた動画は広く拡散された。彼は選挙中、権力に執着する政治家を一掃すると約束し、主要メディアのジャーナリストを冷笑した。選挙後のテレビ出演では、くだらない質問をしてくるとしてインタビュアーを非難した。