サハリンや北方領土の日本車、ロシア軍に提供 戦地ウクライナで利用か

AI要約

ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、極東サハリン州や北方領土にある日本車が前線のロシア軍に送られている。

民間の軍支援団体が活動し、日本車3台が軍に引き渡された他、中古車の輸入も続いている。

市民らによる自動車の譲渡や寄付を通じて、軍支援が行われている。

サハリンや北方領土の日本車、ロシア軍に提供 戦地ウクライナで利用か

 ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、北海道に隣接する極東サハリン州や北方領土にある日本車が、前線のロシア軍に送られている。兵員輸送などに活用するため、民間の軍支援団体が市民らに自動車の譲渡などを呼びかけ、6月以降に少なくとも日本車3台が軍に引き渡された。極東では日本車が愛用され、中古車の輸入も続いており、今後も同様の動きが続く可能性がある。

 「近い将来、この車は特別軍事作戦で戦闘任務を遂行する」。シャリフリン州議会議員は5日、通信アプリ「テレグラム」の動画でこう説明した。動画には軍仕様のカーキ色に塗られたトヨタ自動車の「ランドクルーザー」が映っている。

 自動車を軍に提供する活動は市民約80人が参加する「サハリンの庭」という軍支援団体が主導し、シャリフリン氏が公的な手続きなどを支える。5月から市民に譲渡を呼びかけたり寄付金で購入したりし、整備した上で医薬品などを詰め込んで軍に引き渡している。

 6月に入り、北方領土・択捉島の実業家とサハリン市民が三菱自動車と日産自動車のスポーツタイプ多目的車(SUV)を譲渡し、ランドクルーザーは同島の州政府機関などが寄贈した。団体によると、現在はスバル製SUVを整備中といい、日本車が続々と集まっている。

 団体は9日、6月に軍に引き渡した国産車がウクライナ東部ドンバス地域を走る動画をテレグラムに投稿した。今後、前線で日本車が利用される映像が流れる可能性もある。