ゼレンスキー氏「兵器の使用制限撤廃を」 NATO供与分

AI要約

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、ウクライナのゼレンスキー大統領が兵器の使用制限の撤廃を求める。また、防空システムの早期提供も期待している。

米国や他国は兵器の使用に関する制限を緩和しているが、一部国にはまだ制限が残っている。ゼレンスキー氏は全ての制限を解除する必要性を強調。

ウクライナのNATO加盟に向けた取り組みが加速し、加盟は不可避なものとして前進している。

ゼレンスキー氏「兵器の使用制限撤廃を」 NATO供与分

 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は最終日の11日、米首都ワシントンで、ロシア軍の侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領を招いて会合を開いた。ゼレンスキー氏は会合に先立って記者会見し、NATO加盟国が供与した兵器に関する使用制限の撤廃を求めた。また「できるだけ早期に防空システムが提供されるよう期待している」とも述べた。

 米国やドイツ、フランスなどは5月、ウクライナ軍の劣勢を受け、供与した兵器でロシア領内を攻撃することを認めた。ただ他のNATO加盟国には認めていない国がある。さらに米国も、露軍への反撃、もしくは露軍が攻撃準備している拠点などへの使用に限定している。

 ゼレンスキー氏は「もし我々が勝ちたいのであれば、兵器に関する全ての使用制限を解除する必要がある」と強調した。

 ゼレンスキー氏は、10日に発表された共同宣言でウクライナのNATO加盟は「不可逆的な道」と踏み込んだ表現が盛り込まれたことについて「(加盟という)私たちのゴールに大きく近づいた」と評価した。【ベルリン五十嵐朋子、ワシントン松井聡】