『もしトラ』どころか『すでトラ』?ウクライナ支援に“トランプ氏の影”NATO首脳会議

AI要約

NATO首脳会議が開幕し、ウクライナ支援の強化が議題となっている。

アメリカのバイデン大統領はロシアの脅威について警告し、NATOの重要性を強調。

トランプ前大統領の復帰に対する憂慮や過去のNATO批判も話題となっている。

『もしトラ』どころか『すでトラ』?ウクライナ支援に“トランプ氏の影”NATO首脳会議

NATO首脳会議が9日に開幕し、各国首脳が集まっています。ウクライナ支援の大幅な強化で合意するとみられますが、脳裏に浮かんでいるのは、大統領返り咲きを目指すトランプ氏の存在です。

各国首脳に先んじて会場入りした、ストルテンベルグ事務総長。

NATO ストルテンベルグ事務総長

「(Q.アメリカ大統領選の結果はNATOの脅威となり得るか)大統領選の結果に関係なく、アメリカは積極的に支援し、強力なNATO同盟国であり続けます。強いNATOは、アメリカの安全保障上の利益にもかなっています。このサミットをただの“お祝い”ではなく、『今後の抑止と防衛』『ウクライナ』について重要な決断を下します」

今年はNATO設立から75周年という節目の年。本来ならもっと祝賀ムードにあふれていてもいいはずなのですが、この情勢ではそうもいきません。

アメリカ バイデン大統領

「テロ集団が邪悪な陰謀で騒乱・混乱・苦しみをもたらしています。欧州ではプーチンがウクライナへの侵略戦争を続け、完全に支配下に入れてウクライナの民主主義を終わらせる気だ。プーチンの目的はウクライナで終わらない」

バイデン大統領はこの場で、ストルテンベルグ事務総長に、文民として最高の栄誉である、大統領自由勲章を授与しました。クリミア侵攻以来ずっと、ロシアの脅威と向き合ってきた人物です。

NATO ストルテンベルグ事務総長

「ロシアという好戦的な隣国に対し“負担なき選択肢”はありません。最大の負担とリスクが伴う選択は、ロシアに勝利を許すことです」

「ウクライナへの支援を止めてはいけない」この言葉は、NATOが“内側に抱える懸念”を表しているのかもしれません。彼らは来年、トランプ氏と向き合う可能性があるからです。

アメリカ トランプ前大統領

「バイデンはNATOの連中と会談中だが、相手は絶好調の切れ者ぞろいだから『バイデン氏は大丈夫か』と心配されているだろう」

NATOが警戒していることの1つは、ウクライナ支援に批判的なこと。事実、大統領だった5年前、クリミア侵攻を機に行われていたウクライナへの軍事支援を一時停止させたことがあります。

それだけではなく、トランプ氏はNATOそのものにも批判的です。6年前、首脳会議の面々の前で、「アメリカの金銭的負担が大きすぎる。他の国がもっと払わないなら、NATOを離脱する」と言い放ったといいます。

アメリカ トランプ前大統領

「私が首脳会議で『もっと払うべきだ』と言うと、ある大国の大統領はこう質問してきた。“未払いでもロシアに攻撃されたらアメリカは守ってくれますか?”と。私は『ならばノーだ。それどころか、ロシアに好きにするように促す。だから払え』と言ったんだ」