韓国人74%が「1年以内にメンタルの不調経験」 前回調査から増加

AI要約

国立精神健康センターが行った調査によると、過去1年間に深刻なストレスや憂鬱感を抱えた人は73.6%に上昇し、メンタルの不調が増加していることが明らかになった。

調査結果から、精神疾患への認識は改善している一方、精神疾患を持つ人に対する偏見や誤解も依然として存在しており、その課題が浮き彫りになった。

助けを求める際にもっとも頼りにされるのは「家族と親戚」であり、精神疾患の具体的な症例に対する正しい認識はまだ不十分であることが示された。

韓国人74%が「1年以内にメンタルの不調経験」 前回調査から増加

【ソウル聯合ニュース】韓国の国立精神健康センターは4日、15歳以上69歳以下の国民3000人を対象に行ったオンライン調査の結果、この1年間に深刻なストレスや持続的な憂鬱(ゆううつ)感などメンタルの不調を経験したと答えた人が73.6%に上ったと発表した。2022年の前回調査から9.7ポイント上昇した。

 同センターは16年から、国民のメンタルヘルス政策策定の基礎資料を提供するために調査を実施しており、22年からは隔年で行っている。

 調査の結果、「誰でも精神疾患にかかる可能性がある」と答えた人は22年の83.2%から今年は90.5%に、「精神疾患は一種の脳機能異常だ」と答えた人は同期間に49.3%から61.4%に増加し、精神疾患に対する認識が改善したことが分かった。

 一方、「自分が精神疾患にかかったら何人かの友達は自分に背を向けるだろう」と答えた人は39.4%から50.7%に増加。「精神疾患がある人はそうでない人よりも危険だ」と答えた人も64.0%から64.6%に微増した。

 回答者の55.2%は自身のメンタルヘルスの状態を「良い」と評価し、78.8%は「普段から健康な精神を維持するために努力している」と答えた。

 22年の調査結果と比べると、「深刻なストレス」「数日間続く憂鬱感」「インターネット、スマートフォンなどその他中毒」「希死念慮」があると答えた人が増加し、このうちストレス、憂鬱感、その他中毒についてはそれぞれ10ポイント以上上昇した。

 このような問題を抱えている時に助けを求めた対象は「家族と親戚」が49.4%で最も多く、「精神科医または看護師」(44.2%)、「友人または隣人」(41.0%)と続いた。

 うつ病や統合失調症など、具体的な精神疾患の症例を提示して認識レベルを確認したところ、症例を正確に認識している回答者の割合はうつ病が43.0%、統合失調症が39.9%にとどまった。

 国立精神健康センターの認知度は66.8%で、22年に比べ1.2ポイント上昇したが、精神健康福祉センターや精神健康危機相談電話など、その他の機関や相談窓口の認知度は下落したことが分かった。