9人死亡事故 運転の60代男はベテランバス運転手=韓国

AI要約

ソウル中心部で起きた車両が歩道に突っ込み9人が死亡する事故。60代の運転手の身柄が確保され、業務上過失致死傷の疑いで捜査が進められている。

運転手は40年の経験を持つバス会社の運転手で、事故車両のEDR分析を行うことになっている。

事故当時の状況や運転手の動きが調査されており、関係者の証言や検査結果も取り入れられている。

9人死亡事故 運転の60代男はベテランバス運転手=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル中心部の地下鉄市庁駅近くの交差点で1日午後9時半ごろ、車が歩道に突っ込み歩行者ら9人が死亡した事故で、警察は2日、運転していた60代の男の身柄を確保し交通事故処理特例法違反の疑いで捜査を進めていると明らかにした。

 男は京畿道安山市のバス会社に勤務する市内バスの運転手で、約40年の運転歴があることが分かった。

 ソウル南大門警察署のチョン・ヨンウ交通課長は2日午前の記者会見で、事故を起こした60代の男について、交通事故処理特例法上の業務上過失致死傷の疑いで捜査を開始したと発表した。逮捕状の請求は捜査を進めながら多角的に検討するという。

 チョン氏は、車に同乗していた男の妻が事故直後、車が急発進して事故が起きたと主張したことについて、「急発進の根拠は現時点では被疑者側の供述だけで、急発進だとしても容疑が変わることはない」とし、「追加確認のために車は国立科学捜査研究院に鑑識を依頼する予定」と説明した。

 事故車両は2日午前に同研究院に運び込まれた。自動車のアクセルとブレーキがどう操作されたかを詳細に記録する装置「イベント・データ・レコーダー(EDR)」の分析には通常1~2か月かかる。

 警察は目撃者の証言、防犯カメラやドライブレコーダーの映像などを基に、事故当時の状況や加害車両の動きを確認している。

 また男の妻からも具体的な事故の経緯などを聴取する予定だ。男は今回の事故で入院している。

 警察によると、事故当時、男は逃走する様子を見せず、飲酒や薬物使用についても簡易検査で検出されなかった。ただ事故の重大性を考慮し、追加調査のために採血をしたという。

 男が勤務している会社の関係者は取材に対し、「わが社の運転手で間違いない」とし、嘱託社員として約1年4か月働いており、1日置きに勤務していて、事故当日は休みだったと話した。

 取材によると、男は1974年にバス免許を取得。昨年2月3日付で京畿道安山市のバス会社に嘱託社員として入社し、20人乗りの市内バスを運転していたことが分かった。また1985年から1992年までソウルでバスの運転手を、1993年から2022年まではトレーラーの運転手をしていたという。

 安山市のバス会社の関係者は男について、同社に入社してから事故を起こしたことはなく、普段から酒も飲まないベテラン運転手で、ソウルでバスの運転手をしていたためソウルの地理もよく知っていると思うと伝えた。

 警察や消防当局によると、事故は1日午後9時27分ごろ起きた。男が運転していたのは現代自動車の高級車ブランド「ジェネシス」で、市庁駅近くのウェスティン朝鮮ホテルの地下駐車場から出て、一方通行の4車線道路を逆走し、左側の歩道に突っ込んだとみられている。

 この事故で歩行者9人が死亡した。運転していた男と妻、歩行者2人、事故に巻き込まれた2台のドライバーの計6人がけがを負った。当初、けが人は4人とされていたが、巻き込まれた2台の車のドライバーが軽いけがを負ったことが確認され6人に増えた。