大型トレーラー事故、女児死亡は事業者にも責任「運転手への教育不十分」…事故調査委が報告書

AI要約

2021年に徳島県小松島市で登校中の女児が大型トレーラーにはねられ、死亡した事故の調査報告書が公表された。

報告書では、運転手の横断歩道周辺の安全確認不十分や適性診断結果を無視した事業者の教育不足が指摘された。

再発防止策として、運転手の安全確認の重要性や車両特性を考慮した指導が必要とされた。

 2021年に徳島県小松島市で登校中の女児(当時10歳)が大型トレーラーにはねられ、死亡した事故で、国の事業用自動車事故調査委員会は28日、運転手による横断歩道周辺の安全確認や、運転手に対する事業者の教育が不十分だったとする調査報告書を公表した。

 事故は21年12月16日午前7時40分頃、小松島市和田島町の県道交差点で、横断歩道を渡っていた女児が左折してきたトレーラーにはねられ、死亡した。

 報告書では、トレーラーのドライブレコーダーや同型の車両を用いた実験などで事故を検証。運転手は女児の存在に気付いていながら、横断歩道直前で一時停止せずに進行した。左折の際にサイドミラーのみを確認し、直接視線を向けなかったことから、女児に気付かなかった可能性があると指摘した。

 また、報告書は安全運転教育を怠った事業者にも責任があるとした。運転手は2019年に適性診断で「注意が一点に集中しがち」と診断されたにもかかわらず、事業者側は十分な指導をしていなかったという。

 再発防止策では「運転手が一時停止、少なくとも徐行していれば被害者が視界に入り認知できた」として、横断歩道手前での一時停止の重要性を強調。事業者には、死角範囲や内輪差といった車両の特性を踏まえた安全確認方法などの指導を徹底することを求めている。