米ボーイング、航空部品大手を買収 1.3兆円、品質改善目指す

AI要約

米ボーイングが航空機部品大手スピリット・エアロシステムズを約83億ドルで買収合意。

買収目的はサプライチェーンを一体化し、品質改善につなげること。

再びスピリットを傘下に置き、監督強化を図る必要があるとされる。

 【ニューヨーク時事】米航空機大手ボーイングは1日、航空機部品大手スピリット・エアロシステムズを債務も含めて総額約83億ドル(約1兆3000億円)で買収することで合意したと発表した。

 サプライチェーン(供給網)を一体化し、機体事故で信頼性が揺らいでいる品質の改善につなげるのが狙い。

 ボーイングは2005年、コスト削減を図るため工場の一部を分離・独立させ、スピリットが誕生した。同社に部品を外注する仕組みを採用したが、今年1月に米アラスカ航空が運航するボーイング737MAX9型機の窓が吹き飛ぶ事故が発生。ずさんな管理体制が明るみに出たのを受け、再びスピリットを傘下に置き、監督強化を図る必要があると判断した。

 ボーイングのカルフーン最高経営責任者(CEO)は声明で、「安全性や品質管理の仕組みなどを含め、商用機の生産体制を完全に整えることができる」と買収の意義を強調した。