衰え目立つバイデン氏に、大統領選からの撤退求める声…指名辞退なら民主党内の分裂招く恐れ

AI要約

米国大統領選候補のジョー・バイデン氏(81)に対し、高齢による衰えが指摘され、撤退を求める声が出ている。

バイデン氏は指名獲得が既定路線だが、民主党支持層や世論で反対意見が高まっており、代議員によるオープンコンベンションの可能性も浮上している。

バイデン氏自身は落胆しているが、家族からの激励もあり、指名決定に向けて動いている模様。

 【ワシントン=池田慶太】11月の米大統領選に向けたテレビ討論会で高齢による衰えが指摘された民主党のジョー・バイデン大統領(81)に対し、大統領選からの撤退を求める声が出始めている。党予備選を勝ち抜いたバイデン氏が他候補に差し替わる余地はあるものの、複数のプロセスが必要だ。党の結束を損なうとして慎重論もある。

 米CBSテレビが6月27日の討論会直後に実施した世論調査では、バイデン氏が「出馬すべきでない」との回答は72%に達し、出馬を望まない理由(複数回答)では「年齢」が86%で最も多かった。

 民主党支持層で「出馬すべきでない」が46%を占めた。バイデン氏は指名辞退の動きを見せていないが、懸念が続けば自発的な撤退に追い込まれる可能性がある。民主党選挙関係者はNBCニュースに「差し替えを巡る議論は間違いなく噴き出す」と予想した。

 民主党は8月19~22日にイリノイ州シカゴで開く党大会で大統領候補を正式決定する。バイデン氏は予備選に圧勝済みで、党大会で候補に票を投じる代議員約4000人の99%を確保した。指名獲得は既定路線だった。

 今後、バイデン氏が党大会までに指名を辞退すれば、党大会は、代議員らの話し合いや投票で後任を選ぶ「オープンコンベンション」へと切り替わる。バイデン氏への投票を「誓約」している代議員らは他候補に自由に投票できる。

 米メディアによると、バイデン氏自身は討論会の「失敗」に落胆しているが、ジル夫人が「大統領だった4年間を(討論の)90分で定義づけることはさせない」と激励しているという。

 バイデン氏は6月30日、ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドでジル夫人や子供、孫らと過ごした際、親族から大統領選継続を促されたという。

 仮に、バイデン氏が指名を辞退した場合も、後任選びは難航必至だ。

 党の指名候補は党規則によって決まるため、政権ナンバー2のカマラ・ハリス副大統領(59)は優位にならない。ハリス氏はバイデン氏と並んで人気が低く抵抗が予想される。