イラン大統領選、投票はじまる 決選投票の可能性も ライシ氏急死で

AI要約

イラン大統領選では保守強硬派と改革派の候補者が競い合い、決選投票の可能性も高まっている。

保守強硬派の候補者が相次いで撤退し、保守派支持者の団結が求められている。

投票率や最高指導者の呼びかけも注目されるなか、29日に結果が判明する見込み。

イラン大統領選、投票はじまる 決選投票の可能性も ライシ氏急死で

 イラン大統領選は28日、全土で投票が行われた。ライシ前大統領がヘリコプターの墜落事故で急死した後、保守強硬派の候補が政権を継ぐのか、改革派への路線転換が行われるのかが注目されている。いずれの候補者も当選に必要な過半数を獲得できず、7月5日に決選投票が行われる可能性も高まっている。

 大統領選は保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)とガリバフ国会議長(62)、改革派のペゼシュキアン元保健相(69)の三つどもえの戦いとなっている。事前の世論調査では、支持は拮抗(きっこう)しているとされる。

 AP通信などによると、出馬した6人のうち、別の保守強硬派の候補者2人は26、27日に相次いで撤退を表明。このうち、ザカニ・テヘラン市長は、ペゼシュキアン氏が支持を伸ばしていることを念頭に、保守強硬派の「団結」を呼びかけた。撤退した2候補の支持者は、ジャリリ氏かガリバフ氏の支持に回る可能性が高い。

 また、指導部に不満を持つ国民の中には投票を棄権する人もおり、投票率がどこまで上がるかも注目される。イランメディアによると、最高指導者ハメネイ師は28日、テヘラン市内で投票に臨み、「体制の健全さと誠実さを証明するには、国民の参加が必要だ」と投票を呼びかけた。

 有権者数は約6100万人で、大勢は29日にも判明するとみられる。【カイロ金子淳】