イラン大統領選、ハメネイ師側近vs元軍司令官のトップ争い…改革派の医師は3位

AI要約

イラン大統領選挙で3人の候補が争い、保守派と改革派が激しいトップ争いを展開している。

トップ候補はジャリリ元核交渉首席代表である36.7%の支持率を誇り、それに続いてガリバフ国会議長とペゼシュキアン元保健相が続く状況だ。

投票意向の浮動層が62%に達し、残る3人の候補が最終局面で浮上する可能性もあるとみられている。

イラン大統領選、ハメネイ師側近vs元軍司令官のトップ争い…改革派の医師は3位

ヘリコプター墜落事故で死亡したイランのライシ大統領の後任を選出するイラン大統領選挙レースで3人の候補が争っている。外信は28日の大統領選挙を控え保守派候補2人がトップ争いを行う中で改革は候補が善戦していると評価した。

最近の世論調査の結果、元外交官のジャリリ元イラン核交渉首席代表が支持率36.7%でトップとなり、元革命防衛隊空軍司令官のガリバフ国会議長が30.4%、元医師のペゼシュキアン元保健相が28.3%の順となった。最高指導者ハメネイ師の側近であるジャリリ氏は最高国家安全保障会議議長を務めた強硬イスラム理念家と評価されている。警察庁長官とテヘラン市長を歴任したガリバフ氏は2003年の学生民主化デモの際に実弾発砲を命令した人物として知られる。

ペゼシュキアン氏はイラン護憲評議会が大統領選挙立候補者80人のうち最終候補として承認した6人の中で唯一の改革派だ。ニューヨーク・タイムズは護憲評議会が彼を候補に残した理由について「投票率を高めようとする政府計画の一部」と分析した。ペゼシュキアン氏は心臓外科医出身で、タブリズ医科大学総長を務めた。2022年のヒジャブデモ当時にはイラン女性の服装を規制する道徳警察と政府の強硬鎮圧を批判し、「強圧的な方法では信仰を強要できない」と主張した。イランの保守派はイスラム教理原則を固守し、改革派は政治的自由と社会的変化を支持する傾向がある。

反政府性向メディアのイラン・インターナショナルは、11~13日に行われた世論調査を引用し、投票意向がある有権者のうち浮動層が62%に達したと伝えた。このため残る3人の候補が終盤に浮上する可能性もあるという指摘が出る。

保守層の票分散を防ぐため保守派候補のうち一部が退く可能性も提起される。投票結果は30日までに集計され、過半数を占める候補がいなければ決選投票を行うことになる。

人口9000万人のイランで大統領は権力構図上序列2位で、軍統帥・行政・司法の最高決定権者は最高指導者のハメネイ師だ。ライシ大統領がハメネイ師を継ぐ有力候補の1人だった点から次期大統領選出はその後の最高指導者継承問題ともつながっている。

ニューヨーク・タイムズは「今回の選挙の核心争点はインフレと失業など経済的困難、米国が主導する制裁、女性の権利。内部デモと米国・イスラエルとの緊張の中でイランが大統領死去にも揺らぐことなく対処できることを見せる機会」と評した。