3候補接戦のイラン大統領選投票、反米保守強硬路線の継続が焦点

AI要約

イラン大統領選が28日に投票が始まり、保守派と改革派の間で激しい選挙戦が繰り広げられている。投票率の動向や外交政策の今後が注目されている。

有力候補は保守派のガリバフ国会議長、保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長、改革派のペゼシュキアン元保健相の3人で、決選投票も視野に入れられている。

イラン最高指導者は高い投票率の必要性を訴え、経済状況や外交政策に対する期待が高まっている。

 イラン大統領選は28日、全国の投票所で投票が始まった。保守派2人と改革派1人が三つどもえの接戦となっており、反米保守強硬派の政権の外交姿勢が継続するかどうかが焦点。2021年の前回大統領選で過去最低だった投票率がどれほど伸びるかも注目される。

 候補者4人のうち、有力なのは保守派のガリバフ国会議長(62)、保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)、改革派のペゼシュキアン元保健相(69)。直近の世論調査ではペゼシュキアン氏が3割強、ガリバフ、ジャリリ両氏が2割強の支持を得ている。

 保守派のいずれかが撤退し、一本化するとの観測もあったが、両陣営は27日、撤退しない意向をSNSなどで明らかにした。28日の投票で票の過半数を得た候補がいなかった場合、上位の2人が7月5日、19年ぶりの決選投票に臨む。

 ハメネイ最高指導者は28日、テヘラン市内で投票し、報道陣の前で「イスラム共和国(イラン)の存続や名誉、尊厳、強さは人々の存在にかかっている」とし、高い投票率が「間違いなく必要だ」と呼びかけた。イランでは、投票率は現体制への支持の度合いを表すと受け止められている。

 テヘラン市中心部の投票所で一票を投じた市内在住のメフディさん(52)は、「(経済制裁などの影響による)インフレで肉も高くて買えない。新しい大統領には制裁の解除に向けた努力を期待したい」と話した。(テヘラン=佐藤達弥、真野啓太)