日本の「漫画」が、フランス総選挙の行方も左右するのだろうか?

AI要約

フランスで極右政党「国民連合(RN)」に対する抗議運動が広がる中、日本の漫画ファンコミュニティもRNへの反対を表明している。

漫画ファンたちはRNが文化活動支援から漫画を除外しようとしたことに反発し、その立場に対立している。

極右政党への票投票を止め、文化活動や漫画への支援を守るために、若者たちがNFPの候補者に投票する動きが広がっている。

日本の「漫画」が、フランス総選挙の行方も左右するのだろうか?

国民議会選が目前に迫り、極右政党「国民連合(RN)」が存在感を強めるなか、フランスではこれに抗議する運動が各所で湧き起こっている。女性の権利を訴える団体の大規模デモ、サッカー選手キリアン・エムバペや女優のマリオン・コティヤールをはじめとする多数の有名人の反対表明……。

さらに、日本の「漫画ファン」コミュニティもRNへの反対を訴える。「『ONE PIECE』、『進撃の巨人』、『NARUTO -ナルト-』のファンでありながらRNに投票しようとするなんて、作品を理解していないか、作品の哲学をないがしろにしているかだ」。その真意とは?

エマニュエル・マクロン仏大統領による国民議会解散を受け、6月30日と7月7日におこなわれるフランス総選挙。その選挙で、漫画がどのような役割を果たすというのだろうか? 間近に迫った投票を脅かす暗い危機を前に、日本の漫画など、とるに足らないようにも思えるが、選挙戦がインターネットでも(というよりも、おもにインターネットで)おこなわれるとしたら、それは甘く見過ぎだろう。

TikTokの流行を見れば充分わかる。左翼の運動家によって何度も配信されているその動画で、キラキラのエフェクトに包まれて登場するのは、K-popのアーティストではない。セバスティアン・デロギュ、ルイ・ボワイヤール、フィリップ・プトゥーなど「新人民戦線(NFP)」の候補者たちである。

小さなことでバランスを崩しうるこの世界で、漫画ファンのコミュニティは非常に重要だ。そのコミュニティでは、極右政党「国民連合(RN)」党首ジョルダン・バルデラに反対する向きが強い。理由は単純かつ率直に、RNが漫画と対立する立場にあるからだ。

「RNはカルチャー・パス(若者向けの文化芸術活動のための支援金)から漫画を除外しようとした」。「彼らは若者から文化を取り上げようとしている」と、あるXユーザーは指摘する。また、「プロフィールを漫画のアイコンにしておきながら、バルデラに票を投じる人に言っておくけど、カルチャー・パスから除外されたら、100冊を超える『ONE PIECE』の単行本をこれからどうやって買うつもり?」……。

TikTokでも攻撃が始まろうとしている。「frontpopulaire_2024(2024年の人民戦線)」というアカウント(NFPと左派連合を組む「不服従のフランス」が運営していると見られる)の動画がそれだ。メッセージは明確である。

「君が権利を守ってカルチャー・パスで漫画を買い続けたいなら、ジャン=ピエール・ポルナレフ(『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物)のように振る舞い、NFPの候補者に投票すべきだ」