ガザで報道関係者100人超犠牲に 調査報告

AI要約

ジャーナリスト保護委員会(CPJ)による調査報告書によると、パレスチナ自治区ガザ地区で命を落としたジャーナリストやメディア職員の数が100人を超えたことが明らかになった。

報告書によると、多くのジャーナリストやメディア関係者が「報道」のベストや防弾チョッキを着用していたにも関わらず攻撃を受け、犠牲になっている。

国際社会からの非難が低調な中で、ガザでのメディア関係者への攻撃が続いており、その深刻さが改めて浮き彫りになっている。

【AFP=時事】米ニューヨークを拠点とする国際報道NPO「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」は25日公表した調査報告書で、昨年10月以降にパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で命を落としたジャーナリストやメディア職員の数が100人を突破したと明らかにした。「PRESS(報道)」の文字が記されたベストを着用しているにもかかわらず殺害されたメディア関係者も多いという。

 仏パリに本部を置く団体「フォービドゥン・ストーリーズ(Forbidden Stories)」やAFP通信、英ガーディアンなどが4か月にわたる調査を担当。昨年10月7日にイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエル軍の戦闘が始まって以降のジャーナリストやメディア施設が巻き添えになった事案を調べた。

 フォービドゥン・ストーリーズのロラン・リシャール(Laurent Richard)氏は、報告書に寄稿し、「ガザのジャーナリストは『報道』と明記したベストが自分たちを守ってくれないことをずっと分かっていた」と指摘。「それどころか、そうしたベストを身に着けることで逆に目立つことになりかねない」と述べた。

 報告書によれば、ジャーナリスト4人は「報道」のベストを着用している状態で無人機攻撃で殺傷された。また、「報道」と記された防弾チョッキを着ていた14人は殺傷されたか、もしくは攻撃対象となった。少なくとも40人の報道関係者は、ガザの自宅で殺害された。

 パレスチナ・ジャーナリスト・シンジケート(PJS)の報道担当者、シュルック・アサド(Shuruq Asad)氏は、戦闘開始以降、メディアの事務所70か所以上が爆撃されたと指摘。また、ガザでメディア関係者の犠牲が増えているにもかかわらず国際社会からの非難が低調なことに驚かされるとし、「ウクライナでジャーナリスト100人が殺害されれば世界の反応は同じものとはならないだろう」と話した。【翻訳編集】 AFPBB News