「朝ロ協力、世界紛争の可能性上がる、韓米日共同防衛声明が解決策」

北朝鮮とロシアが首脳会談で「包括的戦略パートナー関係条約」を結び同盟水準の関係に格上げを宣言したことに対し、米国の外交安保専門家らは「西側自由主義秩序に対する重大な挑戦」と規定した。彼らは１９日、中央日報とのインタビューで両国の軍事協力の強化が域内安保危機を招きかねないと懸念し、「最善の解答は７月に開かれる北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議で韓米日３カ国が共同防衛声明を出すこと」と強調した。

◇コルビー氏「韓米同盟守るためあらゆるオプション考慮」

トランプ前大統領の再執権時に大統領国家安全保障担当補佐官への起用が有力視されるエルブリッジ・コルビー元国防次官補代理はこの日書面インタビューで、「もう両国は紛争中のお互いを助けることを約束した。これはアジアと欧州、そして中東で同時多発的な紛争が発生する可能性を高めるだけ。韓米同盟はいつになく重要で在韓米軍は依然として中国に集中しなければならない」と強調した。

彼は「ロシアのより多くの援助は北朝鮮の核・ミサイル計画の実質的な助けになる。これは米国の既存の拡大抑止の信頼性に疑問をもたらし、ワシントンとソウルが核心同盟の実行可能性を保障するためあらゆるオプションをテーブルに載せる必要性が大きくなった」とした。コルビー氏は４月の中央日報とのインタビューで、核の傘提供を通じた一体型拡大抑止の代わりに韓国独自の核武装を考慮する必要があると述べた。この日言及した「あらゆるオプション」は戦術核再配備案を念頭に置いたと分析される。

◇ビクター・チャ氏「朝ロ、冷戦時代の安全保障更新」

戦略国際問題研究所（ＣＳＩＳ）のビクター・チャ上級副所長は、北朝鮮とロシアの一方が武力侵攻を受ければただちに軍事的援助を提供することにしたことに対し「冷戦時代の安全保障の更新。ただロシアは砲弾、北朝鮮は先端軍事技術という相互取引上の必要に基づいているというのが違うだけ」と評した。

彼は「朝ロ安保協定に対する最善の解決策はＮＡＴＯ首脳会議でワシントン・ソウル・東京が共同安保宣言をすること。『一方に対する脅威はみんなに対する脅威』という韓米日３カ国共同安保宣言を見たい」とした。

ヘリテージ財団のアンソニー・キム研究委員は朝ロ会談の意味に対し「北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長はここ数年間ロシアとさらに緊密な戦略的関係を結ぶことを望んできた。金委員長がウクライナ戦争と１１月の米大統領選挙をめぐる不確実性を最大限活用するために地政学的チェス盤で有利な位置を占めているのは明らかだ」と評価した。続けて「ロシアは金委員長が追求してきた国際的地位を一層高め、トランプ氏が（大統領選挙勝利で）帰ってきて彼と交渉することになる時金委員長の立場を強化するだろう」と予想した。

キム研究委員は対応策と関連して「韓米は７月にワシントンＤＣで開かれるＮＡＴＯ首脳会議で韓米同盟が単純な２国間同盟ではなく世界的同盟である点を改めて強調し立証しなければならない。ＮＡＴＯ首脳会議は長く検証されてきた韓米同盟のビジョンをさらに強化する特別な機会にならなければならない」とした。

◇中国含む多国間外交でロシア圧迫しなければ」

朝ロ協力が構築した危険ブロックに対応する過程で多国間外交の重要性が大きくなるだろうという分析も出てきた。シドニー・サイラー元傘下国家情報会議（ＮＩＣ）北朝鮮担当官は「ロシアと北朝鮮の協力は世界的影響を及ぼすため韓国と米国は中国との外交を含んだ多国間外交を通じてロシアを持続的に圧迫しなければならない」と強調した。

サイラー氏は「ロシアのプーチン大統領が金委員長を全面的に信頼するとは考えないが、北朝鮮の大量破壊兵器と在来式武器能力を改善できる援助・支援を正当化するだろう。北朝鮮が衛星や原子力潜水艦など技術の発展を見ることになれば韓国に対する脅威は話せないほど大きくなるだろう」と予想した。

この日米国務省のミラー報道官は朝ロ首脳会談の結果に対する中央日報の書面質疑に「朝ロ協力強化は韓半島（朝鮮半島）平和と安定、世界的非拡散体制維持に関心がある人ならばだれでも大きく懸念する流れ」と評した。続けて「ロシアがウクライナを何回も攻撃するのに使った弾道ミサイルとその他兵器や物資を北朝鮮が（ロシアに）移転しロシアが調達するのは拘束力ある国連安保理決議に対する明白な違反」と指摘した。

米国家安全保障会議（ＮＳＣ）のワトソン報道官は「われわれはロシアと北朝鮮の協力強化に対し警告してきた。米国はウクライナとインド太平洋の同盟国を支援し続けるだろう」とした。