ロ朝新条約「攻撃受ければ直ちに軍事援助」 同盟関係28年ぶり復活か

AI要約

金正恩国務委員長とプーチン大統領の間で署名された「包括的戦略パートナーシップ条約」の内容が報じられた。条約では、一方が攻撃を受けた際に直ちに軍事的援助を提供することが合意され、28年ぶりに同盟関係が復活した。武力侵攻が起きた場合、両国は軍事的およびその他の援助を行うことが明記されている。

北朝鮮とロシアは、戦争状態になった場合にお互いが支援する条項を新たに締結。条約には個別的または集団的自衛権を認める国連憲章第51条が根拠として引用されている。さらに、協力措置を取る目的で交渉窓口を稼働させることや防衛能力を強化する制度の設立が明記されている。

条約には、対話と交渉を通じた意見交換や国際協力の強化、新しい国際秩序の確立を目指す合意も含まれている。全地球的な戦略的安定と戦略戦術的協力を強化することで一致。効力は無期限で、効力停止を望む場合は相手側に1年前に通知が必要。

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)とロシアのプーチン大統領が前日に平壌で署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文を報じた。それによると、両国は「一方が攻撃を受けた際に直ちに軍事的援助を提供する」ことに合意した。「自動軍事介入」と解釈できるもので、両国間の同盟関係が28年ぶりに復活したとみられる。

 23条からなる条約の第4条には「一方が個別国または複数の国から武力侵攻を受け戦争状態になった場合、国連憲章第51条と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とロシア連邦の法に基づき、直ちに自国が保有するあらゆる手段を用いて軍事的およびその他の援助を提供する」との内容が盛り込まれている。

 この条項は、1961年に北朝鮮とソ連が締結し、96年に失効した「友好協力相互援助条約」第1条とほぼ同じ内容だ。

 同条約第1条は「一方が個別国または国家連合から武力侵攻を受けて戦争状態になった場合、他方は遅滞なく自国が保有しているあらゆる手段によって軍事的またはその他の援助を提供する」と明記している。

 北朝鮮とロシアが今回新たに締結した条約の第4条で例示されている国連憲章第51条は、加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には個別的または集団的自衛権を認める内容となっている。ロシアのラブロフ外相は、これを根拠に条項には問題がないと主張した。

 また、北朝鮮とロシアは一方の国に「武力侵略行為が行われる直接的な脅威」が発生した場合は脅威を除去するための協力措置に合意する目的で交渉窓口を「遅滞なく」稼働させることを第3条で定めた。

 第8条には「戦争を防ぎ、地域的・国際的平和と安全を保障するための防衛能力を強化する目的の下、共同措置を取るための制度を設ける」と記された。

 北朝鮮とロシアはこのほか、高官級の会談など対話と交渉を通じて2国間問題と国際問題に関して意見交換し、「国際舞台での共同補助と協力」を強化することを決めた。

 さらに、「全地球的な戦略的安定と公正で平等な新しい国際秩序の確立を目指し、緊密な意思疎通を維持し、戦略戦術的協力を強化」することで一致した。

 条約の効力は無期限で、効力停止を望む場合は相手側に書面で通知すれば1年後に効力が停止される。