ウクライナ和平サミット、ゼレンスキー氏「公正な平和」の実現へ結束呼びかけ

AI要約

ウクライナのゼレンスキー大統領がスイスで行われた「世界平和サミット」でロシアへの不当な譲歩を排した和平の実現に呼びかけ。

スイスで開催されたサミットには100以上の国や国際機関が参加し、日本からは岸田文雄首相が出席。

ハリス副大統領はロシアに代償を支払わせ続ける姿勢を示し、ゼレンスキー大統領との会談で追加人道支援の実施を伝えた。

ウクライナ和平サミット、ゼレンスキー氏「公正な平和」の実現へ結束呼びかけ

【ファサーノ(イタリア南部)=黒瀬悦成】ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は15日、スイス中部ビュルゲンシュトックで同日始まったウクライナ和平をめぐる「世界平和サミット」で演説し、「世界は本日、公正に基づく平和の実現に近づき始めることとなる」と述べ、ロシアへの不当な譲歩を排した和平の実現に向けた結束を呼び掛けた。

スイス政府によると、会合には計100の国と国際機関が代表を派遣した。日本からは岸田文雄首相が出席した。

バイデン米大統領の代わりに出席したハリス副大統領は演説で「ロシアに代償を支払わせ続ける」と述べ、ウクライナ支援を続けていくと強調した。

ハリス氏はまた、会合前にゼレンスキー氏と会談し、15億ドル(約2360億円)以上の追加人道支援を実施すると伝えた。

会合では、ゼレンスキー氏が2022年11月に発表した和平案「平和の公式」に関し協議。ゼレンスキー氏は「サミットでの合意は和平プロセスの一部となる」として、各国に賛同を呼び掛けた。

討議では10項目から成る和平案のうち「核の安全」「食料安全保障のための航行の自由」「捕虜やロシアに連れ去られた子供の返還」に加え、「エネルギー安全保障」について重点的に議論された。

紛争当事国であるロシアのプーチン大統領は招待されなかった。主催国スイスのアムヘルト大統領は開幕前の声明で、和平協議の進展にはロシアの関与が必要だと指摘し、国際社会にロシアとウクライナの直接対話に向けた環境整備を進めるよう促した。

一方、ウクライナ外務省は14日、プーチン氏が同日発表した、ロシアが一方的に併合した4州からのウクライナ軍の撤兵などを条件とする独自の「和平案」について、即座に拒否の意向を表明した。