北朝鮮“汚物風船”で連日挑発 韓国は報復で“拡声器”の使用を検討

AI要約

北朝鮮が韓国に向けて汚物風船を飛ばす行為に対し、韓国政府が拡声器による宣伝放送の再開を検討する報復を準備している

北朝鮮が1000個以上の汚物風船を飛ばしたことで南北関係が緊迫し、韓国政府は対応策を模索

韓国政府は南北軍事合意の効力停止と訓練再開、スピーカーによる宣伝放送の準備を発表

北朝鮮“汚物風船”で連日挑発 韓国は報復で“拡声器”の使用を検討

 北朝鮮が連日、韓国に向けて飛ばしていた“汚物風船”に対し、韓国政府が猛反発。しばらく封印されてきた拡声器による宣伝放送の再開を報復として検討し始めた。

 2日に、韓国のレーダーが捉えた映像。漂っているのは風船だ。

 巨大風船が街中に着地。対応にあたるのは、韓国軍の兵士たちだ。

 多くの市民が見守る中、風船につるされていた袋から出てきたのは大量のゴミ。よく見ると、紙きれや布きれ、ビニールなどが確認できる。

 他には、たばこの吸い殻や汚物のようなものも入っていたという。

 また、別の場所では韓国軍の爆弾処理班までが出動し、ゴミを調べていた。

 こうしたいわゆる汚物風船は、先月28日から今月2日にかけて韓国各地で確認され、その数はおよそ1000個にも及んでいるという。

 飛ばしたのは、北朝鮮だ。

金正恩総書記の妹 金与正(キム・ヨジョン)氏

「汚物は誠意の贈り物だと思って拾い集めるべきだ」

 北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏は、ゴミをつるした風船を韓国に向け飛ばしたことを認めた。

 その背景にあるのは、韓国の脱北者団体への報復だ。

 この団体は先月10日、北朝鮮の体制を批判するビラ30万枚とK-POPの動画などを保存したUSBメモリー1000個を風船で北朝鮮に向けて飛ばしていたのだ。

 北朝鮮からの汚物風船による挑発を受け、韓国政府は4日、大きな決断を下した。それは…。

韓国国防省

チョ・チャンレ国防政策室長

「南北間の相互信頼が回復するまで、9.19軍事合意すべての効力停止を決めた。韓国軍は北朝鮮の挑発について、国民の生命と安全を守るために、必要なあらゆる措置を講じていくことを明らかにする」

 韓国側は北朝鮮の挑発行為に対し、2018年の首脳会談で結んだ南北軍事合意の効力を全面的に停止すると閣議決定した。

 これにより、陸海空の境界付近での一切の敵対行為の全面停止は解かれることになる。

 韓国側は軍事境界線付近や島しょ部一帯での訓練を再開する方針を示している。

 また、軍事境界線近くで北朝鮮に向けた大音量のスピーカーによる宣伝放送について、いつでも実施できるよう準備しているとしている。