巨人の「つなぐ3番」、阿部監督の苦言にも見事に対応

AI要約

巨人が3連勝し、吉川の適時二塁打などで先制。戸郷は7回を1失点に抑えた。打線が安定し、ペースをつかむ。

吉川が勝負強い打撃で先制点をもたらし、チームに火をつける。打撃陣が順調に機能し、クリーンアップの重要性が強調される。

吉川のバットを短く持つ工夫や、先頭での盗塁による得点など、彼の役割がチームにとって重要であることが浮き彫りになる。

 巨人が3連勝。三回に吉川の適時二塁打などで先制し、その後も小刻みに加点した。戸郷は7回を中村剛のソロによる1点に抑えた。西武は高橋が序盤で崩れた。

 序盤から打撃陣が安打を重ね、巨人はペースをつかんだ。阿部監督は「クリーンアップが打てば、点になる。これが野球」と言った。3番の吉川が勝負強い一打で先取点をもたらし、打線に火をつけた。

 両チーム無得点の三回二死からヘルナンデスが二塁打で出塁した。吉川は「つなぐイメージだけ」と打席に入ると、バットを短く持った。1ボールからの2球目。スライダーを捉えた打球は右翼への適時二塁打となった。4番岡本和が内野安打で続き、坂本にも適時打が飛び出した。

 5月4日の阪神戦でサヨナラ打を放ち、ヒーローになったが、阿部監督に「最後に打って決めたのは素晴らしいけど、人に見える工夫をもっとしてほしい」と苦言を呈された。状況に応じた打撃に物足りなさを感じていた指揮官の言葉。そこから、バットを短く持つ機会が増えるなど、より意識は高まったようだ。同29日のソフトバンク戦でも延長十二回に値千金の一打でチームをサヨナラ勝ちに導いた。

 3番を任されるようになった4月下旬以降、15試合連続安打を放つなど打撃は堅調だ。この日は丸が3四球、ヘルナンデスは2安打と新しい1、2番は機能し始めている。課題の得点力アップには、4、5番につなぐ吉川の働きが一層、重要になっている。

 先頭の五回には3試合連続の複数安打となる右前打で出塁すると、すかさず盗塁を決め、岡本和の適時打で生還した。「自分はホームラン打者ではない。何とか塁に出られるように工夫していきたい」と吉川。自らの役割は十分に心得ている。(浜口真実)