ロッテ吉井監督の巧みな操縦術「怒られてずっと機嫌が悪かったけど…」メルセデスが今季初勝利

AI要約

ロッテのC・C・メルセデス投手がついに初勝利を挙げた。

メルセデスは厳しい状況を乗り越え、チームを7連勝に導いた。

吉井監督のメルセデスへの怒りが彼のパフォーマンスを向上させた。

ロッテ吉井監督の巧みな操縦術「怒られてずっと機嫌が悪かったけど…」メルセデスが今季初勝利

◆パ・リーグ ロッテ2―0ソフトバンク(25日・ZOZOマリン)

 耐えて耐えて耐えて、ついにお立ち台に上がった。度重なる不遇にめげず、ロッテのC・C・メルセデス投手(30)が今季8登板目で初勝利を手に入れた。「ようやく1勝できてうれしい!」。前カード2戦33得点のソフトバンクを相手に8回3安打無失点、8奪三振。登板中の平均援護点「1・1」という試練を乗り越え、チームを4年ぶり7連勝へと導いた。

 7日前と別人のような立ち上がりから波に乗った。初めて崩れた18日の日本ハム戦(ZOZO)は初回に4失点を喫したが、打って変わって3者連続K。変身の理由を、吉井監督は“怒りのパワー”と分析した。

 吉井監督「前回怒られてずっと機嫌が悪かったけど、今日はその怒りをゲームにぶつけてくれた」

 18日の試合後、会見で「一番やっちゃダメなのは初回のビッグイニング」と苦言。直接、本人に説教したわけではないが発言を知ったのか、翌日から左腕はご機嫌ナナメだったという。

 吉井監督「あいさつの仕方が変わったので、怒っているなと。お前が悪いやろ!と思ったけど…」

 “怒ったメルセデス”はスケールアップ。体力不足が課題だったが、移籍後最長の8回、同最多111球を難なく投げきった。本人は「ノーノーノーノーノーノー! 誰かに怒っているとかじゃなく、自分自身に対してだよ!」と慌てて否定したが、指揮官は「これもモチベーションを上げる一つの方法」と、してやったりだ。

 助っ人の防御率は小島、種市、佐々木の3本柱を上回る1・50まで向上し、チームは2分けを挟み7連勝で貯金は今季最多の5。吉井監督の巧みな操縦術と相まって、ロッテが不気味な勢いを帯びてきた。(宮脇 央介)