【Bリーグ】「バスケットボールはメンタルのスポーツ」広島ドラゴンフライズ・カイル・ミリングHCが語る、『頂点を目指すチームづくり』

AI要約

広島ドラゴンフライズが初のCSファイナル進出を果たし、指揮を執るカイル・ミリングヘッドコーチがチームづくりの哲学を語る。

ミリングヘッドコーチがチームづくりで最も重要視するのはコミュニケーションであり、メンタルの側面を特に重視している。

彼のコーチングスタイルは技術や戦術よりも選手の精神面やメンタルを重点においたマネジメントスタイルである。

【Bリーグ】「バスケットボールはメンタルのスポーツ」広島ドラゴンフライズ・カイル・ミリングHCが語る、『頂点を目指すチームづくり』

 クラブ初となるCSファイナル進出を決めた広島ドラゴンフライズ。5月25日から、横浜アリーナで前年王者・琉球と激突する。チームを率いるのは、2021-22シーズンから指揮を執るカイル・ミリングヘッドコーチだ。

 ここでは、2023年に収録したカイルHCの独占インタビューを再編集してお届けする。指揮官が大切にする、チームづくりの哲学とは。(取材は2023年3月・全3回/2回目)

◆チームづくりで最も重要なのはコミュニケーション

―目標を掲げ、理解を深めるというチームつりの上で、ミリングヘッドコーチが大切にしていることは、どんなことでしょうか。

 「一番重要なのは、コミュニケーションをしっかりと取ること。選手同士、スタッフ、チームに関わるすべての人達との細かいコミュニケーションを、綿密に取り続けることが大切だと考えています。そこから改善点を見つけることができたり、チームの状態、個々の状態が把握でき、コンディションが悪い時にも前向きに進んでいくための、ちょっとしたきっかけに気づくことさえできます。それが私のコーチングにおいて、最も大切にしている部分です。ですから、選手達にも繰り返し、コミュニケーションを取ることが大切だと話しています。すごく人と話す選手もいますし、逆に話すことが苦手な選手も当然います。そういった時には、選手同士でフォローをし合うことで、そこにコミュニケーションが生まれると、みんなに伝えています」

―技術を教えるというよりも、コミュニケーションに重点を置いたチームづくりをされているんでしょうか。

 「バスケットボールはメンタルのスポーツだと考えています。試合を決める重要な要素は、80%がメンタル、残りの20%がテクニックと言われています。安定したメンタルを保ち、それをフォローするためには、チーム内のコミュニケーションが重要です。メンタルの状態が良ければ、それが結果につながり、スキルの向上にもつながると考えています。B1リーグの24チームそれぞれが、全て違ったシステムやチームづくりで勝ち進んでいけるようなレベルではありません。成熟されたシステム、戦術を用いて試合に臨むチームの中で、トップ3に入るチームは、すごく良いメンタルを持っていますし、コミュニケーション能力がとても高いのです。そう考えると、勝敗の分かれ目は、やはりメンタルの部分に現れるのです。私の肩書きは『ヘッドコーチ』ですが、マネージャーという仕事もしているのかなと感じています。選手一人ひとりの状態や、精神的な部分をしっかりと見て、今日はどうやって選手、チームをマネジメントしようかと考えます。ちょっとした表情や仕草から、選手の状態を推察したり、心理学者的な目線から、どうしたら彼らの能力をより引き出せるのかということを、いつも気にかけています。技術や戦術を教えるヘッドコーチというよりも、いろいろな選手をマネジメントするマネージャーという役割や視点から、チームをつくっているのかなと感じています」