【ACL】横浜初優勝ならず、ポープ退場10人となりアルアインに惨敗…2戦合計3-6と屈する

AI要約

横浜F・マリノスはアルアインに1-5で敗れ、アジア初制覇を逃した

GKのポープ・ウィリアムが不運な退場を経験し、逆転負けを喫した

クレスポ監督との指揮官対決も注目され、勝利はアルアインに

【ACL】横浜初優勝ならず、ポープ退場10人となりアルアインに惨敗…2戦合計3-6と屈する

<AFCチャンピオンズリーグ:アルアイン5-1横浜>◇25日(日本時間26日)◇決勝第2戦◇UAE・アルアイン

 横浜F・マリノス悲願のアジア初制覇はならなかった。アウェーでアルアイン(UAE)と対戦し、GKポープ・ウィリアムが決定機阻止で退場となる不運もあり1-5と惨敗。2戦合計で3-6と逆転負けを喫した。

 勝てば前回大会の浦和レッズに続く日本勢の2連覇となり、来年6~7月に米国で開催される4年に1度のクラブW杯への出場権も得られたが、あと1歩のところで夢破れた。

 ホームの第1戦(11日)を2-1で制して迎えたアウェーの第2戦。トリコロールのユニホームでなく、青一色の「侍ブルー」さながらのユニホーム。日本代表として大一番に臨んだ。

 立ち上がりからアルアインの素早い寄せに苦しみ、ボールロストからカウンター攻撃を食らった。

 前半8分に早々と失点を喫した。。縦へのスピードを持ち味とするFWラヒミに持ちこまれ、MFナデルとのパス交換からラヒミに右足でゴールを奪われた。

 ラヒミの鋭いスプリント力に手を焼いた。続く前半29分、アーリークロスをクリアしようとしたDF畠中槙之輔だったが、飛び込んできたラヒミの足をはねる形で倒してしまった。主審は一度はノーファウルと判定したが、VARが介入。オンフィールドレビューで繰り返し確認し、最終的にPKと判定された。

 このPKを前半33分、MFロメロに決められて追加点を奪われる。0-2とされ、2戦合計で2-3とついにリードを許した。

 しかし横浜も反撃に出た。敵陣で相手選手が浮き球を処理するところを狙ってボールカット。そのまま右サイドからドリブルで持ちこみ、切り返しから左足でゴールを決めた。1点を返し、2戦合計で3-3の振り出しに戻した。

 前半のアディショナルタイムは10分。攻守の入れ替わりの激しい攻防から、アルアインのカウンターを再び浴びた。前半55分、スルーパスから抜け出したラヒミとGKポープ・ウィリアムが1対1に。鋭く左へ持ち出されたところをポープが懸命に体を寄せて対応したところ、ラヒミを倒してしまう。瞬時に足を引っ込めて接触を回避しようとしたが、決定機阻止のレッドカードを提示される。VAR介入でも判定は変わらず痛恨の退場処分。MFエウベルを下げてGKに白坂楓馬を入れる緊急体制となった。前半は62分まで行われ、3-3で折り返すことになった。

 横浜は決勝トーナメントに進出後、1回戦もバンコク・ユナイテッド(タイ)戦、準々決勝の山東(中国)戦、準決勝の蔚山(韓国)戦でも退場者を出しており、この決勝でも再び10人で戦うことを余儀なくされた。しかし退場者を出しながら勝ち上がってきた流れがある。

 後半開始からMF植中朝日に代えてMF榊原彗悟を投入。数的不利で押し込まれる展開が続くが耐えた。後半12分には相手クロスをニアサイドで畠中がクリアしたボールがゴールバーに当たる場面もあった。その畠中は足を痛め、DFエドゥアルドに交代。同時にMF喜田拓也からMF山根陸にチェンジし、アルアインの攻撃を受けた。

 そして後半22分、ゴール前ではね返したボールをラヒミに拾われ、鋭い切り返しから左足シュートを決められた。ラヒミは今大会トップを独走する13点目。横浜は1人少ない状況ながら2戦合計3-4と1点のビハインド。引いて守るわけにはいかない状況となった。

 後半34分、ヤン・マテウスを下げてFW宮市亮を投入。スピードを武器とする男のワンチャンスに懸けた。

 しかし数的不利の中でアルアインに冷静にボールをつながれ、カウンターを仕掛ける場面は訪れない。逆に後半46分に相手の縦パスを処理しようとしたGK白坂がボールをクリアできず空振り。ラバにボールを奪われ無人のゴールに押し込まれた。さらに50分、カウンターから再びラバに得点を許し、1-5と大きく突き放された。終盤にA・ロペスが決定的な場面を迎えたが、ゴールラインぎりぎりのところでクリアされた。最後はアルアインの勢いを止められず、守護神ポープの退場が響いての結果となった。

 横浜のキューウェル監督に対し、アルアインはクレスポ監督という指揮官対決も注目された一戦だった。2005年の5月25日、「イスタンブールの奇跡」と呼ばれた欧州チャンピオンズリーグ決勝でキューウェルはリバプールのFWとして、クレスポはACミランのFWとしてともに先発出場している。

 クレスポの2得点などで前半のうちにACミランが3-0とリードしたが、後半にリバプールが反撃し一挙3得点で同点とした。その後、延長を戦い迎えたPK戦でリバプールが制して優勝している。それから19年後の同じ日という因縁の顔合わせだったが、この日はクレスポ監督に軍配が上がった。