「3敗の優勝は優勝じゃない」と師匠に告げられた大の里が初V王手…「来場所につながる相撲を取りたい」

AI要約

大相撲夏場所14日目、大の里が湘南乃海を圧倒して11勝で単独トップに立ち、初優勝に王手をかける。琴桜は4敗で阿炎に敗れる。豊昇龍と大栄翔は2桁白星を挙げる。

大の里は初優勝に向けて最速記録を更新する可能性があり、自身も希望を抱くが、重圧も感じている。師匠からは優勝はまだとの言葉も。

取材では集中のため早口で短い言葉しか返さず、次の相撲に集中する姿勢を示す。

 大相撲夏場所14日目(25日・両国国技館)――3敗の大の里が湘南乃海を圧倒して11勝で単独トップに立ち、初優勝に王手。首位に並んでいた琴桜は阿炎を攻めきれず痛い4敗。阿炎は関脇で10勝。豊昇龍は欧勝馬を寄り切り、大栄翔は高安を押し出し、それぞれ2桁白星。4敗の4人も優勝の可能性を残した。

 幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ昨年の夏場所から1年。新小結の大の里が初土俵から7場所目での初優勝に王手をかけた。達成すれば幕下付け出しでは輪島の15場所を抜いて史上最速となり、前相撲からだった尊富士の10場所も、記録上抜くスピード初優勝となる。

 立ち合いで踏み込んで右を差し、湘南乃海に何もさせずに押し出した。一方的な内容でも浮かれず、「よかったですね」と短く振り返った。

 師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)からは、「12勝3敗の優勝は優勝じゃない」と告げられていることもあり、「(優勝は)ないと思っていますから。来場所につながる相撲を取りたい」と話す。

 序盤戦はじっくり語ることもあった取組後の取材も、14日目は目をつぶったまま、早口で短い言葉ばかりを並べた。集中のためか、それとも重圧か。「15日間戦い抜くことだけ考えて、あした頑張る」。快挙を勝ち取れるか。(小高広樹)