湘南乃海2敗対決制し単独トップ「毎日、淡々とやり続けた結果」神奈川県出身65年ぶりVなるか

AI要約

湘南乃海が2敗対決を制し、単独トップに立った。大の里が敗れ、湘南乃海が昭和期以来の神奈川県出身者としての優勝へ期待が高まる。

湘南乃海は体格を活かし、宝富士を小手投げで破り2敗を守った。師匠も将来性に期待を寄せている。

湘南乃海は初心を忘れず、幕下での稽古成果を感じながら幕内での優勝争いに向け精進している。

湘南乃海2敗対決制し単独トップ「毎日、淡々とやり続けた結果」神奈川県出身65年ぶりVなるか

<大相撲夏場所>◇11日目◇22日◇東京・両国国技館

 東前頭10枚目の湘南乃海(26=高田川)が2敗対決を制し、単独トップに立った。西前頭16枚目の宝富士を小手投げで破り、9勝2敗とした。結びの一番で、2敗だった小結大の里が豊昇龍に敗れ、幕内6場所目で初の単独トップ。3敗で6人が追う大混戦の中、頭一つ抜け出した。神奈川県出身として、59年九州場所の大関若羽黒以来、65年ぶりの優勝へ期待が高まる。

 ▽2敗 湘南乃海

 ▽3敗 琴桜、大の里、大栄翔、御嶽海、欧勝馬、宝富士

 194センチ、190キロの恵まれた体格を最大限に生かした。湘南乃海は立ち合いで左を差した。左の相四つだが懐が深い分、宝富士が前のめりに上手を取りに来たところを、タイミング良く小手投げ。ただ1人、2敗を守った。相手の動きが見えていたか問われると「そうですね。集中して対応できてよかった」とうなずいた。厳しい師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)も「あの体は魅力」と、将来性に期待を寄せている。

 出身は神奈川・大磯町。同県出身の幕内優勝となれば、横浜市出身の若羽黒以来、実に65年ぶりとなる。4月に地元と同じ湘南地域の藤沢市で行われた春巡業では、稽古土俵に上がるたびに大きな拍手が起きた。相撲熱も高まっており「ありがたい」と感謝する。

 初心を忘れない。場所中も連日、朝稽古から大粒の汗を流すのは「幕下からやっていることが今につながっている。稽古が増えたわけでも減ったわけでもない。毎日、淡々とやり続けた結果」という。十両を3場所で通過し、幕内6場所目で優勝争い。6年以上とどまった幕下での稽古の成果を今、感じている。稽古後には必ず、ほうきで土俵を掃く。本来は若い衆の仕事だが、部屋頭になってもその姿勢は変わらない。12日目は関脇阿炎戦。「1日一番で変わらない。集中して頑張ります」。無欲で上位に挑む。【高田文太】